コラム

ショートショート『休日のひとときをゆっくりと過ごす』

 

 室内には綿菓子さながらの、仄(ほの)かな甘さを伴った空気が流れていた。

 麻由美を除く家族は全員外出中。家の中にいるのは、彼女だけとなっている。

 静かに空を眺めると、雲が東から西へとゆっくり移動している。本日は地上に雨を降らすつもりはないのか、途切れ途切れで色は白かった。

 麻由美は大きな欠伸をする。ぽかぽか陽気が、眠りの世界へと導こうとしていた。あらがおうとしても、眠気が体内をぐるぐると循環するのを止められない。

 布団が入っている、押し入れの襖を開けた。仮眠用、睡眠用の二つが用意されており、今回は前者を使用することにした。

 仮眠用の枕を用いることで、昼寝の時間を抑制することができる。睡眠用の枕を使用すると、心が和らぐのか、長時間の睡眠になってしまいがち。睡眠時間を分けるために、二つの枕を所持している。

 麻由美は仮眠用の枕を後頭部に当てると、ゆっくりと瞼を閉じた。柔らかい眠りの世界が彼女を包み込んでいった。彼女は程なくして、眠りの世界へと入っていった。

 窓を閉め忘れていたため、隙間から風が流れ込んできた。室内は心地よい空気が入り込んで、彼女の睡眠を祝福していた。

 

文章:陰と陽

関連記事

  1. 電波ゆんゆん!
  2. スピリチュアルなDIY!
  3. 俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの
  4. 『北の無人駅から』(北海道新聞社)
  5. 自分の人生は自分で切り開くもの
  6. 興味がないものは「いらない」か?
  7. 無駄を楽しもう!
  8. 寝る前の時間の過ごし方

おすすめ記事

阪神電鉄『香櫨園駅』と周辺紹介

 阪神『香櫨園駅』は阪神西宮駅から西に1駅にある、夙川をまたぐ形で建っている高架駅で…

『ハードレモネード ノメルズ オリジナル』を飲んでみた感想

 ハードレモネードノメルズオリジナルは、レモネードにアルコールを入れた、アルコール度…

『黒い影』―恐怖に怯える日々が続くー

暗い影が…空気に乗って…どんどんこっちへ……

『病気の辛さは…』

病気の辛さは…なった本人しか分からない。だか…

副島隆彦『余剰の時代』ベスト新書

副島隆彦『余剰の時代』世の中に蔓延っている偽善を解体し、所謂、本…

新着記事

PAGE TOP