福祉・医療

「自立支援医療」について

 

 自立支援医療という言葉をご存じだろうか。

 自立支援医療は、精神障碍者向けの医療で精神科通院における自己負担を軽減できる。(通常は3割なのに対し、自立支援医療では1割の負担で済む)

 なお、2006年3月までは自己負担が5パーセントとなっていた。2006年4月より一割負担かつ患者の世帯収入に応じた『応益負担』に変更された。障碍者であっても、充分な収入を得ている場合、高齢者医療と同じく負担が増えるシステムが構築された。

 基本的に病院・診察所一ヵ所、薬局一ヵ所、デイケア一ヵ所を指定可能(指定外の病院で診察すると自立支援は適用されず、従来と同じ負担となる)。なお、うつ病とアルコール依存症で、別々の医師の診察を受けていた場合、例外的に二か所の病院・診察所および薬局を指定することができる。

 薬の適用は精神安定剤に限定されている。痛み止めなどは3割負担なので、勘違いしないように。(当然、自立支援の対象外)

 手続きは1年に一度行われる。(2年ごとに負担義務が生じる。精神障碍者手帳と同時に更新することで、実質ゼロとなる)

 自立支援では受診だけでなく、血液検査やレントゲンなどにも適用される。同じ検査を安くできるのは魅力的だ。

 国民健康保険に加入していた場合、自治体によっては無料で受診可能となっている。(社会保険加入者は1割の負担義務が生じる)

 負担額が生じる場合についても、上限金額は低めに設定されている。(収入によって2500円、5000円、10000円、20000円、対象外の5種類にわかれる)

 自治体によっては支払った金額のうち、一部が返金されるシステムを導入。デイケアに通い続けることで、払った金額が丸々戻ってくることもある。デイケアでは条件を満たすことで、昼食サービスなどを実地している病院もあり、昼食代を丸々浮かしてみるのも面白い。

 手厚い恩恵をもたらす自立支援医療、障碍者が生きていくためには欠かせない制度といえる。

 

文章:陰と陽

関連記事

  1. 就労移行支援の1回あたりの利用料は就職率などによって異なる
  2. 大人の発達障碍
  3. エジソンの言葉を障碍者支援に当てはめる
  4. A型作業所を社内に作る企業が増えつつある
  5. 支援者と利用者のあるべき関係は一部分で崩壊している
  6. 支援機関への登録は慎重にすべき
  7. 支援員の支援適性をしっかりと見極めよう
  8. 障碍を持っている人が、言われるとつらいこと

おすすめ記事

尼崎にあるラーメン店「ぶたのほし」の感想

 尼崎に「ぶたのほし」というラーメン店があります。営業は午前11時~午後3時までとな…

心に傷を負った人たち

心の病にある人は、多くは遺伝子とストレスによってそうした状態になっていると言われてい…

刷新していこう

変化変化の時代です。常にアンテナを張って意欲的に貪欲に取り組んでいかないと、時代の変化に取り残されて…

京アニ放火犯人の事情聴取始まる

 京都アニメーションに放火し36人を死亡、33人を負傷させた男の事情聴取が始まった。…

カレーにまつわる、にがい思い出。

みんな大好きなカレー。食べる機会も多いので、カレーにまつわる色ん…

新着記事

PAGE TOP