福祉・医療

障碍者の切なる願い

 

障碍の当事者と比較すると、一般人はあらゆる面で恵まれている。

 学校では障碍者だからという理由で、いじめ、仲間外れに遭遇する確率が高くなる。少年時代に負った傷は、大人になってもいやされない。

 成人すると生きにくさがより顕著になる。障碍を患っていると、職種が絞られてしまう。やりたいことを制限された状況での就職活動を余儀なくされる。

 電話対応、介護、警備、運転手、店員といった臨機応変を必要とする仕事に向かない。運転手をやると事故を起こす確率が高くなる、介護職では入浴介護などで、被介護者の事故死を引き起こしかねない。死と直結するリスクと向き合わなければならない。一般人もその可能性はゼロとはいえないものの、障碍を抱えている当事者は確率がぐっと上がる。

 高齢者になっても苦難は続く。障碍者の大半は現役時代にまともな収入を得ていない。年金を納めていないというものも多いだろう。年金の受取額が一般と比較して少なくなるため、まともに生活できない。

 障碍者は才能を発揮したごくごく一部の人間を除いて、生まれた時から不幸になる宿命を負っている。一般人に生まれて、普通の生活を送ってみたかったな。

 障碍を一秒で治せる薬の開発を願ってやまない。

 

 文章:陰と陽

関連記事

  1. 松本俊彦『薬物依存症』(ちくま新書):ケアを考えるシリーズ4作目…
  2. 障碍の種類を絞って支援する事業所もある
  3. 就労定着支援の問題点
  4. 発達障碍支援で行われるのは人間否定、業務放棄
  5. 発達障碍者に推奨される仕事
  6. ショートショート『高齢者施設に変化』
  7. 「共感力」は意思疎通のツールだが限界もある
  8. 役所の申請手続き(障碍者手帳等)は、時間が掛かり過ぎる

おすすめ記事

痴漢犯罪者はいなくならない

『痴漢犯罪者はいなくならない』 日本では連日のよ…

読書の秋ですね

なあに、ちょっとした致命傷だ(挨拶)。と、いうわけで、フジカワです。朝にヒゲを剃って…

メンタルヘルスの本の出版に携わるA型作業所

 出版作業を行うA型作業所について紹介していきたいと思います。どうしてこの事業所なの…

『仲間』―それぞれの道に進む仲間との約束―

最高の仲間と過ごした日々は…かけがえのない思い出。&nbsp…

B型作業所の待遇は事業所によって異なる

 B型作業所における、一か月間の平均工賃は16000円前後となっている。作業所内で週…

新着記事

PAGE TOP