今日割り当てられた仕事は、二人で監視して、警備をする仕事だ。
相棒は、私よりいくつか年下の女性だ。
仕事にとりかかる前に、研修があった。
映像を見せられた。
その映像に映る人物は、うまくこなしてやっていた。
同じ様にこなさないといけないらしい。
まず私ひとりが現場に出た。
彼女は、現場に出ずにそこで待機した。
現場に出てみると、映像に映っていたようにはうまくこなせなくて、私はその場で殺された。
そうして私は、女として生まれて、自身の人生を人のために費やすことになった。
何度も、繰り返し生まれては死に、人のために費やす人生を送ったのだ。
それからどうなったのか、わからないのだが、相棒のいる元の世界に戻り、賃金が支払われた。
「どういうことだ」
訳が分からなかった。
そうした経験をしたことで、私は自身の行動を慎むようになった。
どのような事態になろうとも、誠実を心掛けるようになったのだ。
見返りを期待しようとは思わなくなった。
自分も他人も裏切らないように、行動するようになった。
自分の行いの積み重ねが、自分の人生を作るのだと悟ったのだ。
うまくこなせないことがあったとしても、悲観せずに、行いを正して誠実に人生を送ることが、一番いいことだと結論したのであった。
うまくいこうがいくまいが、ただ誠実を尽くすのみ。
そう思った。
それからというものは、自分の人生が良い方向に回転するように実感しだした。
人生とは、そういうものだと思った。
文章:シャーペン
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