サスペンス・ホラー

怖い話:『走る男の子』

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大学時代に葬儀屋での単発バイトをした時のこと。

葬儀が終わった後、ひとりで斎場内の椅子や祭壇、飾りつけの撤収作業をしていると、開け放しているドアから何者かが入ってきた。
屋外の花輪の片付けを終えたバイト仲間が入ってきたと思い顔を上げると、それは小さな男の子だった。
その男の子は駆け込んできて、場内を回り出した。

「探しものか?鬼ごっこか?」

気になって作業がはかどらない。

その子が何周もグルグル回っているうちに、
男の子はそのドアから飛び出して行った。
それと入れ替わるようにバイト仲間が入ってきた。

「だいぶ片付いてるな」と言うバイト仲間に。
「さっきの男の子が邪魔しなければ、もっと進んだんだけどな」
「え?」
「今、入れ替わりで出て行ったじゃん?」
「弔問客はみなとっくに帰ったぞ。そういえば、今日の仏さんは小さな男の子・・・」

 

百百太郎

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