幸せのもとは転がっている
そこらじゅうに転がっている
ありふれたもの
ただ気づかないだけ
意識がくもっているから
草花をめでるだけでも
いとおしく感じるものだ
切腹した例の作家は
植物の名を答えられなかった
膨大な知識を誇り遠大な思想を
持っていたというのに
そんなものは
いざというときには
役に立ちやしない
ほんとうのことは
身近な細部にこそ宿っている
心地よい風の音を聴く
それだけで
生まれてきたかいがある
文章:増何臍阿
画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/47614497952/20a9cf4606/