友人の幼稚園の頃の話。
夕方、食事の準備をする母にその手伝いをする姉、父は新聞を読んでいた。
そんな中で幼稚園児の友人はひとり、テレビのニュース番組を見ていた。
そこに殺人事件のニュースが流れてきた。
ぼんやりとテレビ画面を見ていた友人の目に、被害者の顔が映った。
それは、幼稚園の友達の母親だった。
「〇〇くんのおばちゃんが殺されたって!」
友人は慌ててテレビ画面を指さして叫んだ。
母親が驚いて画面を覗き込んできたときは、別のニュースに変わっていた。
「見間違いじゃないの?」
という母だったが、念のため当人に電話してみたところ、普通に当人が電話に出た様子。
見間違えということで、その時は終わってしまった。
が、15年経った大学生のある日の夕方に、あの時見たのと全く同じニュースが流れ、友達のおばさんが殺された事件は15年後に現実になったという。
文章:百百太郎
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