友人と夜のドライブに出かけたときのこと。
コンビニで飲み物を買って戻ると、先に戻っていた友人が車の前で何やら辺りをキョロキョロ見渡している。
「どうした?」
と声を掛けると、女の子が車のボンネットにいたという。
「そこに乗ったらダメだよ」
と、声を掛けても動こうとしない。
すると、どこからか
「〇〇ちゃーん」
とお母さんらしき女性の声がした。
一瞬、声のした方を見て、視線を女の子に戻すと、そこには誰もいなかったという。
「お母さんのとこに走っていったんじゃないの?」
「いや、そんな時間はなかった」
そんなやり取りをした後、わたしたちは車に乗り込んでドライブの続きをはじめた。
「ラーメンでも食ってそろそろ帰ろうか?」
と沿道に一瞬目を移して、前方に視線を戻すと、ボンネットに女の子が座っていた。
「やばい!これはこの世のものではない!憑りつかれるぞ、見るなー!」
と顔を伏せる友人の横でわたしは
「運転中やっちゅうねん」
文章:百百太郎
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