このコラムでは、ワーグナーの遺作『エレジー』をご紹介します。
偉大な映画作品でワーグナーの楽曲が用いられているので、映画と絡めてお伝えします。
はじめに
「エレジー」をご紹介する前に、ワーグナーについて簡単にお伝えします。
リヒャルト・ワーグナー(1813~1883)は、ドイツ・ロマン派を代表する作曲家です。
多数のオペラ・楽劇作品を書き、指揮者でもありました。
また、バイロイト祝祭劇場をつくりました。
文筆家、思想家としても知られ、ニーチェとの親交がありました。
広く知られている作品としては、キューブリックの映画『2001年宇宙の旅』冒頭で流れる「ツァラトゥストラはかく語りき」や、コッポラの映画『地獄の黙示録』の、戦場で実際に流れる音楽「ワルキューレ」などがあります。
2001年宇宙の旅 オープニング リメイク版
地獄の黙示録 ~ワルキューレの騎行~
https://www.youtube.com/watch?v=FM9k6n4DjIs
曲
「エレジー」は、ワーグナーの遺作のピアノ曲です。こちら↓
RICHTER plays WAGNER Albumblatt (Elegie) in a flat (1986)
演奏はロシアの巨匠リヒテル。
どうでしょうか?
とても短い曲ですが、切々と哀しみが迫ってきます。
関連
エレジーとは、悲しみをうたった詩などの文学作品あるいは曲のことです。
この曲は、イタリアの巨匠ヴィスコンティの映画『ルートヴィヒ 神々の黄昏』のなかで、何度も印象的に使われています。
この「エレジー」は、ワーグナーが『トリスタンとイゾルデ』という楽曲をつくる際の草稿から生まれたものと言われています。
おわりに
ごく短いピアノ曲ですが、凝縮された音楽語法が用いられており、聴けばきくほど魅了されていきます。
これをきっかけにワーグナー作品に興味をもっていただけたら幸いです。
ありがとうございました。
文章:増何臍阿
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