サスペンス・ホラー

怖い話『何にぶつかったのかわからない』

 

友人の頭にアザがある。

まだ保育園にいたときにできたアザなのだが、なぜできたのかわからないという。

 

当時、友人は仲間と、保育園の運動場でかくれんぼして遊んでいた。

友人は鉄棒のそばの茂みの中に隠れていた。

 

やがてオニに見つかり、友人はそこから飛び出した。

その時、鉄棒の下で、何かが頭に当たったのだという。

 

「鉄棒をくぐり損ねたんじゃないの?」

 

というわたしに友人は言った。

 

「その時の俺は手を伸ばして、ようやく鉄棒につかまるぐらい背が低かったんだぞ」

 

保育士の先生たちもなぜ怪我に至ったのかわからず、しばらく園児たちが鉄棒に近づかないよう黄色いテープを貼る処置が成されたそうだ。

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f5/photo/10752225535/68ba679ff8/

関連記事

  1. 怖い話『塀の裏側に見たもの』
  2. 怖い話『おばけやしき』
  3. 怖い話『走る男の子』
  4. 怖い話『待っている人』
  5. 怖い話:『夜中の子供』
  6. 怖い話『ジョギングコースの自転車』
  7. 怖い話『降ります!』
  8. 怖い話:『向かいのマンション』
PAGE TOP