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相撲界(行司も含む)の厳しい縦社会

 大相撲初場所が開催され、力士(関取)が土俵で奮闘している。

 

 相撲界は厳しい縦社会です。番付によって扱いが大きく異なります。以下に一部を挙げる。

 

  1. ・関取であっても横綱、大関、関脇・小結、幕内、十両で給料が異なる。
  2. ・大関になるとファーストクラスに乗ることを許される。(番付によって扱いが異なる) 
  3. ・幕内でなければ懸賞金をもらえない(一本で3万円の収入になる)上位になるほど、懸賞金は増えるため、地位を上げることで収入増となる。
  4. ・新聞における扱いが幕内、十両で異なる。
  5. ・関取(十両以上)でなければ給料が支給されない。
  6. ・関取のみが結婚してもよい。 
  7. ・一人部屋で過ごせるのも関取だけ。(付け人も付けられる)
  8. ・十両以上を一定以上経験すれば、親方になる資格を持つ。
  9. ・サインをしてもいいのは原則として関取だけ(弓取をやっている力士も許される)
  10. ・十両以上になると力水をつけ、塩をまくこともできる。(幕下上位では進行が早すぎる場合に、時間調整で塩をまくことも稀にある)なお、幕内、十両、幕下以下では仕切りの時間が異なる。(左から4分、3分、2分)
  11. ・十両以上であった場合のみ、番付まで呼ばれる(幕下以下は何枚目なのかは呼ばれない)。
  12. ・物言いになったとき関取はしこ名、幕下以下は東、西という呼ばれ方をされる。(幕下以下は一人前という認識をされていない)
  13. ・正式な呼び方も関取は××関、幕下以下はさんとなる。
  14. ・関取は15番、幕下以下は7番(幕下以下で一人だけ8番相撲を取ることもある)
  15. ・関取のみが髷を結うことができる。(幕下の力士が十両で相撲を取る、弓取式、初切、断髪式の際は大銀杏を結うことができる)
  16. ・幕下以下に支払われる奨励金も地位によって異なる(7万~15万)
  17. ・照明の明るさも番付によって異なる。
  18. ・身に着けられる服装も番付で異なる。

*十両になるためには最短で5場所かかる。(序の口から全勝を続けた場合)皆が快適な生活を夢見て稽古に励む。

 相撲好きな人は幕下以下で相撲を長く取り続けることもある。(現在の最年長は49歳)肥満が多いと思われる相撲界で、標準体重で奮闘する力士も少ないながらもいる。(60キロ前後の力士も相撲を取っている)

 

 力士だけでなく行事も格が存在する。基本的には以下の通りとなる。

 

房色・菊綴

履物

装束

立行司(木村庄之助)

総紫

白足袋・草履

夏用は麻薄地・冬用は絹厚地、左腰に短刀、右腰には印籠

立行司(式守伊之助)

総白

夏用は麻薄地・冬用は絹厚地、右腰には印籠

三役格行司

幕内行司

紅白

白足袋(土俵入場までは草履)

夏用は麻薄地・冬用は絹厚地

十両格行司

青白

幕下格行司

黒または青

素足

木綿地

三段目格行司

二段目格行司

序の内格行司

 幕下格では裾を上げるなどのルールもあるようだ。立行司が短刀を持つのは、失敗したときは自分を切るという意味があるようだ。(実際に切ることはないものの、進退伺を提出するのが慣例)幕下格以下は裾を上げるといった規則もある。

 立行司以外は成績(差し違いの回数など)によって昇格、降格の対象となる。立行司は横綱と同じく降格することはないものの、理事会によって除名されることもありうる。責任が非常に重いといえる。

 行司の応募資格は19歳以下の男子に限られる。定員(45名以下)という決まりがあるため希望者全員が行司になれるわけではない。空きがなければ、行司になることはできない。(適正も求められる)

 

 昔の伝統を根強く継承しているのか、縦社会が他の業種よりも厳しくなっている。古き日本の中で生きていく力士、行司を温かく見守っていこう。

 

文章:陰と陽

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