幼稚園、小学生、中学生のときは誰しもが成長を実感する。ほっといても身長が伸びるし、新しい知識を吸収していく。学力、体力、身体能力が年々上昇するのを実感する。
分岐点となるのは二〇代。成人を迎えるあたりから、人間は徐々に衰えていく。
二〇代の後半くらいもなると、身体の変化に気づき始める。一〇代全般、二〇代の前半と比較すると、明らかに故障しやすくなり、治るまでの時間もかかるようになった。三〇代を迎えると、一〇代、二〇代のツケを一気に支払わされたかのように身体から痛みを感じる。
四〇代ともなると、衰えは顕著になる。学力(吸収力)、身体能力、体力が目に見えて劣化する。学生時代と同じように勉強しても、なかなか覚えられない。(忘れるのも早い)二〇代と同じ土台で勝負すれば、完膚なきに叩きのめされる。
老いを象徴するかのように、肌に含まれている水分が減っていく。見た目だけでいいから若作りしたいという願いすら叶えさせてくれない。人間は外見だけで、どれくらいの年齢なのかがおおよそわかってしまう。
高齢者ともなると、横断歩道を時間内に渡るのが難しくなるなど、生活面で支障をきたすようになる。車椅子で不自由な生活を余儀なくされる、認知症にかかる確率も上昇する。医療が発達しても、人間の老化を食い止めることはできない。
最終的にはあの世へと旅立っていく。生あるものは必ず滅ぶという宿命から逃れられない。
一〇代の頃は自分とは関係ないと思っていたけど、年齢を重ねるにつれて、誰しもが経験するということを思い知らされた。地球に誕生してから、死ぬまでのプロセスは何人たりとも変えられない。
文章:陰と陽