血液検査でなかなか血を採取できない。そのような経験をしたことはないだろうか。
筆者は近年、その傾向が続いている。一度目で採血できれば奇跡、二度目であってもありがたいと思えるくらいにうまくいかない。
四~五回くらい注射針を指しても採血できないときは、気力が完全になくなってしまい、次回に持ち越すこともある。腕には痛さに耐えてきた、傷跡だけが残った。
看護師曰く、採血できないのは血管が見えにくいから。指でこすっても浮き出てこないため、だいたいこの辺りだろうという感覚で針を刺すことになる。一か八かの方法で血が取れる可能性は低く、何度も針を刺す羽目になる。
一発で採血を済ませるために、血管の浮いている手の甲に針を刺したこともある。あまりの痛さゆえに、顔が思いっきり歪んでしまったのは忘れられない。注射針の激痛を脳が記憶しているのか、手の甲で血を抜いてほしいとはなかなか言い出せない。
次回は一度で血が出るように、と願いながら次回の採血に望む。筆者の願いは通じるのだろうか。
文章:陰と陽