地方におけるバスの削減が目立つ。
筆者の住んでいる地方においても例外ではない。15~20年前と比べ、目に見える形でバスの本数が削減されている。1日に12本前後走っていたバスは、6~7本程度となっている。休日にいたってはさらに削減され、4本前後の走行にとどまる。バスの時間が合わなければ、3~6時間待ちも充分にありうる。
バス削減の背景には生徒数の減少が影響しているように思う。乗客数が見込めなくなった路線バスが、本数を減らすのは自然な流れ。誰も乗らなければ人件費、ガソリン代などのコストが丸々赤字としてのしかかる。地方バスでは休日の乗客者数が0というのも珍しくない。
本数の削減には至らなくとも、バス会社の都合によって時間が変更されることもおこりうる。新時刻表は、前回と比較して1時間以上前後していることもある。
バスの削減、時間変更によって児童、生徒の登下校に影響を及ぼすのは避けられない。地区によっては授業開始時刻に合ったバスがないため、一時間目の一時間前に学校に到着することもある。バスの時間が早まったために、給食時間の短縮に追われる学校も存在する。
地方を走るバス会社の多くは赤字経営。児童・生徒の足となるバス会社は利潤を追求する企業なので、赤字なら本数削減はやむを得ない。一日一本であったとしても、走行していることに感謝する必要がある。一般企業なら即撤退となっても不思議はない。
バスは多数を相手にしているのであって、一部の児童・生徒を対象にしているわけではないのが大きなポイント。よりたくさんの乗客を見込める時間帯を選択するのは正しい判断といえる。
バスの問題は少子化が進むとより大きくなっていく。どのように課題と向き合っていくのかがカギとなる。保護者による送り迎えに移行するのもそう遠くはないのかもしれない。
文章:陰と陽