サスペンス・ホラー

『年の瀬の墓参り』

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もう40年も前になる。

年末に帰省した時に、親戚でお墓参りをした。

私は親戚たちが次々とお墓に手を合わせるのを、写真撮影する役をしていた。

一通り撮影し終わって、フィルムを確認すると残り一枚。

親戚やお墓を撮るのはもう飽きた。なので、他にいい被写体はないものかと、墓地をぐるっとまわってみた。

すると女の子がひとり、お地蔵様の隣に佇んでいた。

少し離れたところに墓参りの集団がある。自分と同じで、みんなから離れて近くをうろうろしてるのかな?

「そうだ、この子、撮ろう」と、シャッターを切った。

さっそく現像に出して、数日後に写真が出来上がってきた。

みんなで写真を確認していると・・・

「なにこれ?何でこんなの撮ってんの?」と従姉が言う。

見ると、全く身に覚えのない、お地蔵さまの写真が一枚だけ混じっていて、あの女の子の写真はどこにもなかった。

 

 

百百太郎

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