サスペンス・ホラー

『年の瀬の墓参り』

https://farm1.static.flickr.com/282/18487951119_9c2bfa7b35_c.jpg

もう40年も前になる。

年末に帰省した時に、親戚でお墓参りをした。

私は親戚たちが次々とお墓に手を合わせるのを、写真撮影する役をしていた。

一通り撮影し終わって、フィルムを確認すると残り一枚。

親戚やお墓を撮るのはもう飽きた。なので、他にいい被写体はないものかと、墓地をぐるっとまわってみた。

すると女の子がひとり、お地蔵様の隣に佇んでいた。

少し離れたところに墓参りの集団がある。自分と同じで、みんなから離れて近くをうろうろしてるのかな?

「そうだ、この子、撮ろう」と、シャッターを切った。

さっそく現像に出して、数日後に写真が出来上がってきた。

みんなで写真を確認していると・・・

「なにこれ?何でこんなの撮ってんの?」と従姉が言う。

見ると、全く身に覚えのない、お地蔵さまの写真が一枚だけ混じっていて、あの女の子の写真はどこにもなかった。

 

 

百百太郎

関連記事

  1. 創作『空の上からの悪戯』
  2. 怖い話『わたしも食べたい』
  3. 怖い話『夢の中……。』
  4. ホラー:「光の消えたお化け屋敷」
  5. 怖い話『私に見える女性』
  6. 怖い話『地響きのする家』
  7. 怖い話:『目撃者によって違う霊』
  8. 怖い話『誰かいたはずなのに』

おすすめ記事

「言葉にすれば『悩み』は消える 言語化の魔力」樺沢紫苑【著】幻冬舎より

この著書の一部をご紹介それは、「『書く』…

難しいと思う仕事でもやってみると...

愉快な営業マン私が二十代後半の頃、一人の営業マンが入社して来まし…

大人の防犯は子供心が必要

出典:© いらすとや. All Rights Reserved.空き巣ってなんだっけ?最…

大相撲で怪我による休場が目立っている

 大相撲で休場が目立っている。 関取と呼ばれる人たちは年に90日間(幕下以下は4…

エッセイ:『不思議な事』

世の中には不思議なことが、多くあります。生命に関する…

新着記事

PAGE TOP