コラム

過剰な誉め言葉はやめましょう

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妖怪ぎしんあん鬼

ぎしんあん鬼という妖怪がいる、『妖怪ウォッチ』に。その名の通り、とりつかれると疑心暗鬼になってしまう厄介な奴だ。

その厄介な奴に筆者はとりつかれ、あることに対して、大変疑心暗鬼になってしまうことがある。では、そのとあることとは?

褒められることだ。

筆者はとても優しい世界で育った。そこの住人は皆優しくて、何をしても褒めてくれる。

ぐちゃぐちゃの折り紙を見せても、褒められる。めちゃくちゃな絵を見せても、褒められる。皆、その台詞しか喋れないみたいに、

「すごいねえ~」

と、褒めるのだった。

そんなことを言われ続ければ、すごい自惚れ屋になってしまう。

「そうか、吾輩は他人よりも優れた人間なのか、フハハハハ!」

と。

そんな勘違い自惚れ野郎が、狭い世界からほんの少しだけ広い世界を覗いてみると、どうなるだろう。

明らかに自分を上回った作品に、自分の自尊心は完全に打ち砕かれ、自分の持っている絵とも呼べない紙と、ぐちゃぐちゃの紙を破り捨てるのだ。

それからというもの、その言葉を言われる度に、これは適当にあしらわれているだけなんじゃないかと思うようになった。

因みに、今読んでいる人も経験したことはないだろうか。

「イケメン~♡」

「可愛い~♡」

といった言葉を、親に言われ続けてそう信じて生きてきたが、ある日突然、鏡に映った自分を見て、

「嘘つきめ!」

となったこと。

親であろうが、周囲の人だろうが、この褒め言葉にきっと噓偽りはないのだ。だが、こんなことになるのなら、そんな言葉なんてほしくなかったと思ってしまう。

絶望的世紀末的ポイゾンだぜ

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今は小さな子達がその言葉を言われている。それを見て、正直に言ってあげればいいのに、と思ってしまう自分のクズっぷり。

だが、あることをきっかけに、筆者は褒めることとはどういうことか気付かされた。

それは、ちょっとした催し物で数年ぶりに演奏した時だった。

久しぶりなので当然ミスをしてしまい、落胆していると、

「音程、ちゃんと合っていたよ」

と、言われた。

はっきり褒められたわけではないが、なんか嬉しかった。

その後も例の「すごいね〜」を何回か聞くのだが、先に言われた言葉に比べると腹が立つだけだった。何がこんなに違うのだろう。

具体性だ。ただ「すごいね〜」と言われるのと、「あそこが特にすごかった」と言われるの、どう考えても後者の方が信用できる。何よりも、ちゃんと見てくれたことが分かるのだ。

例えそれが駄目だしだとしても、「すごいね〜」に比べると、ちゃんと自分を見ての評価なのだと信頼できる。

褒めて伸ばすとは

褒めて伸ばすという言葉があるが、それはきっと良いところだけを見ることだけじゃないのだろう。改善点なども伝えつつ、良いところをもっと引き伸ばす。

これが褒めて伸ばすということじゃないだろうか。勿論駄目だしばかりしてはいけない。良いところは必ずあるので、両方を同じくらい指摘し、アドバイスすれば成長し、信頼を得られると筆者は思っている。

 

P.S.

甘やかされて育った子供は神経症になりやすいと、アドラーは考えている。

 

文章:ぴえろ

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