サスペンス・ホラー

怖い話『倒れている人』

 

ある暑い夏の日の午後。

買い物の途中で、人通りの多い道端に、仰向けに倒れている人を見かけました。

日傘をさしたおばさんがひとり、その人の顔を覗き込んでいるだけで、他の人は知らんふりして通り過ぎていきます。

「熱中症かな?まあ、誰か救急車呼んでるだろ」

そう思い、その場を離れました。

 

買い物を済ませ同じ場所に戻ってくると、倒れてる人はすでにいませんでした。

「サイレンの音しなかったけど、救急車きたのかな?」

と、思いながらその場をしげしげと見ていると、人が近づいてきました。

さっきの日傘をさしたおばさんでした。

日傘のおばさんは、わたしに話しかけてきました。

「あんたも見えていたの?」

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/29576661903/7e7cb080a1/

 

 

関連記事

  1. 怖い話『闇の中のヒモ』
  2. 怖い話『終着駅』
  3. 怖い話『デジャブ』
  4. 怖い話『何かいた』
  5. 怖い話『あれはオバケに違いない』
  6. 怖い話『ちょっと通りますよ』
  7. 怖い話『看板人形』
  8. 怖い話『カーテンの裏の子』

おすすめ記事

怖い話『夜中のお使い』

友人と夜の山道をドライブしていた。「喉が渇いた」…

健康であること

筆者は、最近、身体が疲れやすくて、年のせいかと思っていました…

大相撲で怪我による休場が目立っている

 大相撲で休場が目立っている。 関取と呼ばれる人たちは年に90日間(幕下以下は4…

路線バスの低迷で地方の足が消えていく

 地方におけるバスの削減が目立つ。 筆者の住んでいる地方においても例外ではない。…

藤井聡太七冠は前人未到の八冠を達成できるのか

文章:Photo credit: nakashi on Visualhunt.com藤井聡太七冠…

新着記事

PAGE TOP