サスペンス・ホラー

怖い話『倒れている人』

 

ある暑い夏の日の午後。

買い物の途中で、人通りの多い道端に、仰向けに倒れている人を見かけました。

日傘をさしたおばさんがひとり、その人の顔を覗き込んでいるだけで、他の人は知らんふりして通り過ぎていきます。

「熱中症かな?まあ、誰か救急車呼んでるだろ」

そう思い、その場を離れました。

 

買い物を済ませ同じ場所に戻ってくると、倒れてる人はすでにいませんでした。

「サイレンの音しなかったけど、救急車きたのかな?」

と、思いながらその場をしげしげと見ていると、人が近づいてきました。

さっきの日傘をさしたおばさんでした。

日傘のおばさんは、わたしに話しかけてきました。

「あんたも見えていたの?」

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/29576661903/7e7cb080a1/

 

 

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