時事問題

インターネット史上最大の謎、Cicada 3301

 

 インターネット史上最大の謎ともいわれる「Cicada(シケイダ)3301」についてご紹介します!

 

今から約10年ほど前、インターネットに突如として現れた謎の暗号「Cicada 3301」

あるいは、高度な能力を持つ暗号解読者を一般から募るために一連の暗号パズルをネットに投稿した組織のニックネームである、とも言われています。

 

事の発端は2012年1月。

スウェーデン人コンピュータ・アナリストのジョエル・エリクソンさんは、とあるインターネットフォーラムで以下のような書き込みを見つけました。

 

「こんにちは。我々は知能レベルが極めて高い人間を探しています。そのような人を見つけるために我々はテストを考案しました。この画像にはあるメッセージが隠されています。それを見つけてください。メッセージは我々にたどり着く道しるべになっています。我々はすべての謎を解くことのできる数少ない人々と出会うことを楽しみにしています。幸運を祈ります。3301」

 

画像の解読を始めたエリクソンさん。

その画像には「デジタル・ステガノグラフィ」という画像にデータを織り交ぜる技術が使用されていました。ソフトを用いて解読されたのが、

 

TIBERIVS CLAVDIVS CAESAR says “lxxt>33m2mqkyv2gsq3q=w]O2ntk”

 

という文字列でした。

CAESARはジュリアス・シーザーのことで、カエサル暗号が用いられていることから解読できます。

カエサル暗号というのは文字をずらして暗号化するもののことで、例えば映画「2001年宇宙の旅」にでてくるコンピュータの名前である「HAL」は「IBM」の文字列をアルファベット順に関して前にひとつずつずらして出来ています。

(※ I → H   B → A  M → L というように、ひとつずつ前にずらしている)

上は恐らくhttp→lxxt なのでそれぞれ4文字分ずらしています。

 

解読すると、とあるURLにたどり着きます。

そこにあったのが下の画像でした。↓

「おっと! これはおとりです。

どうやらあなたは暗号を解読できないようですね。」

 

という煽りのような文句が。しかしこれがヒントでした。

エリクソンさんはこのアヒルの画像をOutGuessという暗号解読ソフトにかけてみました。

すると新たなメッセージが現れ、そこにはソーシャルニュースサイト「Reddit」のとあるメッセージボードへのリンクが隠されていました。

 

そこには暗号化された文章があり、古代マヤ文明の数字が用いられていることが判明します。

その結果たどり着いたのが、「Agrippa」という詞でした。

そのとき、エリクソンさんは暗号解読を行っているのは自分だけでなく世界中の何千人という人々が解読に挑戦していることを知ったそうです。

 

画像掲示板のユーザーたちが「この番号に電話しろ。214-390-9608」というメッセージを解読により手に入れます。電話番号に掛けると、機械音声で「Cicada 3301のオリジナル画像から素数を見つけて下さい」という内容の伝言メッセージが流れました。

 

オリジナル画像から素数を見つけだすと、「845145127.com」というウェブサイトが見つかり、そこには「セミの画像」と刻々とカウントダウンされる時計が表示されていました。

 

カウントダウンが終わると、ウェブサイトにはパリ、ワルシャワ、ソウル、シドニーなど世界14の主要都市のGPS座標が表示され、世界中の調査班がその表示された場所をしらべたのです。

 

すると、セミのマークとQRコードがプリントされたポスターが、世界14か国の様々な場所でみつかったというのです。

このあと、手がかりがぷっつりと途絶えてしまいました。発見されたQRコードを解読すると、

「ただ着いてきただけのものはいらない。我々が欲しいのは最高の知性を持ったものだけだ」

というメッセージが。

 

そこから長い沈黙の期間があり、数か月後、

「こんにちは。 我々が探していた人たちを見つけることが出来ました。ここで我々の長い旅は終わります。今のところは・・・」

というメッセージが出されました。

 

ここから先も展開は続きますが、結局のところこの暗号を作った人物・組織が誰・何であるのかはいまでも分かっていません。

FBIやCIAやIT企業などが高度人材を探すためにやっていたことだとの憶測が流れましたが、それぞれの組織は否定しています。

 

シケイダ3301は「インターネット時代における最も複雑でミステリアスなパズル」と呼ばれ、インターネット最大のミステリーとされています。その目的や役割などについてはさまざまな憶測が流れました。何らかの人材採用ツールであるとする説や、たんなる体験型の遊びなのだとする見解もあります。はたまたカルト教団の勧誘なのだという主張も。

 

何のためにこのような壮大な謎解きが作成され、それに何千もの人々が翻弄されたのか、いまもって謎の部分が大きい「Cicada 3301」。いつかインターネット最大の謎の全貌が明るみになる日はやってくるのでしょうか。

 

 

文章:増何臍阿

 

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