詩・ポエム

詩:『揺れる』

 

揺れた気がする

地震かと思って速報を待ったが

地震のニュースはない

ぐらっときたのだが

揺れていたのはどうも自分だった

 

部屋で横になっているとき

机の前で座っているとき

たまに揺れる

めまいの類だろうか

しかし倒れこむほどではない

 

揺れて揺れて仰向けになるとまた揺れて

天井が回る目が回る

吐き気を催す時

立ち上がってトイレに行けるだろうか

それが心配

 

揺れて回り

どこへ落ちていくのだろう

床に沈み込み隙間を抜けて

ぽたりぽたりと

滴り落ちる

 

溶けた流れは

排水溝へ辿り着けぬまま

乾いてこびりつき

染みになって

取れなくなる

 

 

文章:drachan

 

画像提供元 https://www.pexels.com/ja-jp/photo/689326/

関連記事

  1. 『目の奥』―涙が流れる瞬間―
  2. 詩:『待つ』
  3. 『打ち上げ花火』―君にとって偉大な存在になりたいー
  4. 『大量…』
  5. 『ありがとう』
  6. 『手の中で…』―手の中で雪が溶ける瞬間どこか寂しい―
  7. 『手を伸ばしても…』―届かないものもある―
  8. 詩:『高台にある美術館』

おすすめ記事

小説:『彼女との約束(1)』

 告白 桜はすでに宙を舞っている。例年ならこのようなことにはならないだけに、暖冬…

悪口ばかり話す人から逃げよう

  マイナスのことばかり話す(他人の悪口を平然という)人とは、距離を取るようにしよう…

就職氷河期世代に対する、政府の就職氷河期支援政策は手遅れ

 就職氷河期世代に向けて政府が『就職氷河期世代支援プログラム』を始めましたが、政策の…

身体障碍者は、無人駅とどう向き合っていくのか

 「車椅子利用者がJR西日本に乗車拒否をされた」と、車イスを利用しているある女性が、…

障碍によるハンディを理解する

  障碍当事者にとって辛いことの一つとして、努力しても相手に伝わらないことが挙げられ…

新着記事

PAGE TOP