人には愛するという心と憎むという心が同居しています。
善の心と悪の心です。
極悪の提婆達多にも善の心である仏界が具わっています。
それは十界互具の法理に裏付けされています。
生命には十界が具わっており、その十界それぞれに十界が具わっているのです。
これが十界互具という法理です。
十界とは、地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人界、天界、声聞界、縁覚界、菩薩界、仏界です。
そのそれぞれの界に、また十界が具わっているという事です。
これは、一つの界に縛られているのではなく、地獄の衆生にも、菩薩などに変われるという事です。
たとえ地獄界にあろうとも、仏界を現せるという事です。
これほど希望に満ちた法理はありません。
しかし人には極悪の命も具わっているのです。
だからこそ、人を善にしていく行動が要請されているのです。
この世の不幸をなくすために。
人は、一人で生きているのではありません。
人は、社会で生きているのです。
犯罪を犯す人は、悪いのは当然ですが、それは、そういう人を作ってしまった社会にも思いを馳せなければならないと思うのです。
もっと、その犯罪を犯してしまった人を、犯罪に走らせる前に何かできなかったのかと。
その社会の病理であると言えば、言い過ぎでしょうか?
一人一人が、もっとお互いを思いやることが必要ではないかと思うのです。
それには命を浄化するしか方法はありません。
文章:シャーペン
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