サスペンス・ホラー

怖い話『誰かいたはずなのに』

 

高校時代の友人の話。

寄り道した関係で学校からの帰りが遅くなった時のこと。

玄関ドアを開けると廊下の向こうの襖から明かりが漏れていた。

そこからアハハハと笑い声も聞こえてくる。

 

「お笑い番組でも見ているのかな?」

 

と思いトイレに向かった。

トイレから出てくると、丁度、コンビニ弁当を手にした大学生の兄が帰ってきた。

 

「ただいま。お父さん、お母さん今日帰り遅くなるから、先に晩御飯食べてって言ってたぞ」

 

そういいながらコンビニ弁当をかざす。

 

「ん?テレビ見てるみたいだけど。帰ってきてるんじゃないの?」

「ほんとかよ、ついさっき携帯に電話してきたのに」

 

そう話しながら居間に向かうと、そこは誰もいない真っ暗な部屋だった。

気のせいかと思い、テレビの電源を付けるとお笑い番組をやっていたという。

 

友人は言った。

「おかしいんだよ、俺が家を出たのが最後だったんだけど、その時と違うチャンネルになっていたんだよ」

 

 

文章:百百太郎

 

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