サスペンス・ホラー

怖い話『公園のベンチで寝ていると』

 

明け方まで仲間としこたま酒を飲んだ。

帰りにひとり公園のベンチで横になって休んでいると、ザッザッと砂利を踏みしめる音がして、周りが何やら騒がしくなってきた。

 

「朝のラジオ体操の時間か」

 

朝になって周辺の住民が集まってきているのだと思った。

場所を移動しようと、体を起こして周りを見渡すと、何人もの女性、男性が集まって、わたしをニヤニヤ笑いながら見ている。

だが、よく見ると彼らは上半身だけで、下半身が無かった。

 

わたしはその場に再び横になり、この状況をやり過ごすことにした。

やがてラジオ体操が始まった。

早く終わってくれと願うばかりだ。

 

やがてラジオ体操が終わりしばらくたって顔を上げると、まだ周囲は真っ暗のままだった。

わたしは思った。

夢であってくれと。

 

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/30901199265/ba971e6e6e/

関連記事

  1. 怖い話:『止まらないタクシー』
  2. 怖い話『上に行くよ』
  3. 怖い話『何かいた』
  4. 怖い話『壁の黒いしみ』
  5. 怖い話『お出かけかい?』
  6. 怖い話『夜中の出来事』
  7. 怖い話『握り返してきた手』
  8. 怖い話『ジロジロ見るんじゃないの!』

おすすめ記事

『勝ちたい!』―完璧な人に勝ちたいと思ってしまう―

結局完璧な人には…勝てない。どんなに努力をし…

品切れの商品を目にしたら購入する心理

 トイレットペーパー、ティッシュが品薄なのでとりあえず購入したい。そのような心理に駆…

【第三回】『市場に評価される方法を学ぶ』

ちきりん『マーケット感覚を身につけよう』ダイヤモンド社 の紹介本…

「理性」というもの

現代人は、「理性」というものを絶対的なものとしてとらえてしまう傾向にあるのかもしれない。しか…

【海外ニュースウォッチ】中国ファストファッションのアメリカ事業拡大【第二十回】

海外のニュースから、筆者が気になったものをピックアップしてわかりやすくお届けするシリーズです。…

新着記事

PAGE TOP