サスペンス・ホラー

怖い話『公園のベンチで寝ていると』

 

明け方まで仲間としこたま酒を飲んだ。

帰りにひとり公園のベンチで横になって休んでいると、ザッザッと砂利を踏みしめる音がして、周りが何やら騒がしくなってきた。

 

「朝のラジオ体操の時間か」

 

朝になって周辺の住民が集まってきているのだと思った。

場所を移動しようと、体を起こして周りを見渡すと、何人もの女性、男性が集まって、わたしをニヤニヤ笑いながら見ている。

だが、よく見ると彼らは上半身だけで、下半身が無かった。

 

わたしはその場に再び横になり、この状況をやり過ごすことにした。

やがてラジオ体操が始まった。

早く終わってくれと願うばかりだ。

 

やがてラジオ体操が終わりしばらくたって顔を上げると、まだ周囲は真っ暗のままだった。

わたしは思った。

夢であってくれと。

 

 

文章:百百太郎

 

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