サスペンス・ホラー

怖い話『真夏のサンタクロース』

 

子供のころのこと。小学校低学年くらいだったと思います。

 

真夏の夜で、とても寝苦しく、嫌な夢から目が覚めました。

のどがカラカラで、階下に降りて水を飲もうと思いました。

 

真っ暗な階段をひっそりと降りていきます。

階段を下りたさき、右手に台所があるのですが、おりきったときに左手の玄関の方に何か気配を感じました。

気配というより、嫌な予感、とでもいったような感じでしょうか。

 

気にせず台所へと向かい、冷蔵庫から水のピッチャーを取り出して、がぶ飲みしました。

ひとごこちがついたわたしは、二階のベッドに戻ろうと思いました。

 

すると、台所を出た目の前、玄関のところに、何かがノッといます。

 

仰天しました。

サンタクロースがいたのです。

正確にはサンタクロースの恰好をした泥棒かなにかだったのでしょうか。

わたしは急いで父母のもとへと階段を駆け上がりました。

 

時間は夜の3時台。なんだなんだと両親は怒ります。

わたしは事情を説明し、両親を連れていきました。

 

しかし、さきほどサンタクロースがいた場所にはなにもいなかったのです。

「なにか夢でも見たんじゃないのか」

父はそういったあと、すぐに寝床に行ってしまいました。

 

悪い夢でも見たのでしょうか。

 

 

文章:増何臍阿

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/51819532169/e5f440da91/

 

 

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