サスペンス・ホラー

怖い話『知らない親戚』

 

9歳の頃、父親に連れられて名古屋の親戚の家へ行った時のこと。

 

わたしにとって初めて会う親戚だ。

事前に父親から、男の子がいるから一緒に遊んでもらいなさいと言われていた。

 

父と親戚のおじさん達が食卓テーブルでお酒を飲みながら、会話を弾ませている中、わたしは隣の居間でひとり退屈していた。

そこにギシギシと階段を下りてくる音がした。

襖が開き、わたしと同じくらいの男の子が顔を出した。

だが、その子はわたしを認めた後、襖を閉めて2階へと戻っていった。

『恥ずかしがり屋さんか』

わたしはその場に大の字になって時間を潰していると、そんなわたしを見たおじさんが2階に向かって

「おーい、○○が暇そうにしとる。遊んでやれ」

と声を掛けた。

ドタドタと階段を駆け下り、襖が開いて姿を見せたのは、大学生ぐらいの大柄な男子だった。

 

帰りに父親に聞いた。

「あの家、もうひとり男の子いるよね?」

 

「いや、一人っ子だよ」

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/50017651406/f17a14f8f1/

 

関連記事

  1. 怖い話『水の中へおいで』
  2. 怖い話『壁の黒いしみ』
  3. 怖い話『ねえ・・・暗い・・・』
  4. 怖い話『いつから?』
  5. 怖い話『キュクロプスの夜』
  6. 『罪』
  7. 怖い話『夜中の路線バス』
  8. 怖い話『濡れた足あと』

おすすめ記事

怖い話『深夜のコンビニバイト』

大学の先輩が深夜のコンビニバイトを始めた。わたしは買い物にかこつ…

コラム:『質の低い国・ニッポン』

最近起こった事件や事故を見ていくと、ある共通した点が浮かび上がると考えられます。…

梅ポリフェノールが新型コロナに対して阻害作用を持つ

梅ポリフェノールが新型コロナに対して阻害作用を持つ梅の抽出物に含まれるポ…

斎藤佑樹が2021年も現役

 日本ハムファイターズに所属している、斎藤佑樹選手が契約更新をすると報道された。育成…

阪神タイガースは18年ぶりにセリーグ優勝できるのか(100試合終了時点)

出典:Photo credit: kimtetsu on Visualhunt.com阪神は10…

新着記事

PAGE TOP