コラム

竹田青嗣著『現代思想の冒険』(ちくま学芸文庫)のご紹介

竹田青嗣著『現代思想の冒険』(ちくま学芸文庫)

 

難解な近現代思想を、とても分かりやすい文章で読み解いてくれる本書。

大変読みやすいので、哲学や思想の入門にぴったりです。

 

哲学の本を読み終わって、「結局どういうことが書かれていたのか」よくわからないということがよくありました。

それは、その著者がどういうことを目指して書いているのか、どういった時代の状況なり思想の状況があっての考えなのか、といったことがわからなかったからでした。

 

本書では、先駆者の業績をもとにして、その後をついだ思想家がどのようにそれを発展させていったのか、社会にとってどんな意味をもつのかといったことがよくわかるように書かれています。

 

本書の著者である竹田先生は、小難しい表現を使うことなく、わたしのような素人にも飲み込めるように導いていってくれます。

個人的には、ボードリヤールに関する部分で謎が解けたような感覚をおぼえたのが嬉しいことでした。

 

本書の出版年は80年代中ごろであり、その後の思想史については追えませんが、近現代の思想の流れをある程度の見通しをもってみることはできる点で、まだまだ価値は失われていない本だと思います。

 

 

文章:増何臍阿

関連記事

  1. 本来の自己を確立
  2. 生活保護は減額されていくのか
  3. 炎上するのはハートだけで十分
  4. 小説:『借金を完済した直後に、あの世に旅立った女性は異世界に転生…
  5. 迷惑行為と正義感とナルシシズム 
  6. 歌舞伎町のジェンダーレストイレは4カ月で廃止
  7. 短編小説:『事務所』
  8. 人材を育てる難しさ

おすすめ記事

危険や罠の分類について

人生、いろんな危険や罠があるなぁと感じます。あるいは、危険や罠というほどでなくて…

性格診断・心理テスト3選!

人は誰しも皆、自分に興味を持っている。自分がどういう人間であるか、自分自身が気付…

マスク警察24時!

出典:© いらすとや. All Rights Reserved.気を付けろ!奴らがくる!…

【お正月太りにも効果あり?】オススメ食事健康法!

お正月食べ過ぎしまって…いわゆる“正月太り”をしてしまった方もいるのではないでしょう…

世界で唯一のオリジナルワッフルを楽しもう

 ワッフルはそのまま食べてもおいしいけど、アレンジすることによってさらによくなります…

新着記事

PAGE TOP