サスペンス・ホラー

怖い話『ニュース番組』

 

友人の幼稚園の頃の話。

 

夕方、食事の準備をする母にその手伝いをする姉、父は新聞を読んでいた。

そんな中で幼稚園児の友人はひとり、テレビのニュース番組を見ていた。

 

そこに殺人事件のニュースが流れてきた。

ぼんやりとテレビ画面を見ていた友人の目に、被害者の顔が映った。

それは、幼稚園の友達の母親だった。

 

「〇〇くんのおばちゃんが殺されたって!」

 

友人は慌ててテレビ画面を指さして叫んだ。

母親が驚いて画面を覗き込んできたときは、別のニュースに変わっていた。

 

「見間違いじゃないの?」

 

という母だったが、念のため当人に電話してみたところ、普通に当人が電話に出た様子。

見間違えということで、その時は終わってしまった。

が、15年経った大学生のある日の夕方に、あの時見たのと全く同じニュースが流れ、友達のおばさんが殺された事件は15年後に現実になったという。

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f7/photo/399455258/176077a4ea/

関連記事

  1. 怖い話『俺も見えたよ』
  2. 怖い話『キュクロプスの夜』
  3. 怖い話:『止まらないタクシー』
  4. 怖い話『おじいさんが寝てるんや』
  5. 怖い話『廊下の血痕』
  6. ショートショート『子供の恐怖』
  7. 怖い話『のぞく子供』
  8. 怖い話『手が届かない』

おすすめ記事

狂犬病で年間55000人が死んでいる

 狂犬病の犬に噛まれるなどして命を落とす人間が1年間で55000人にのぼっている。(…

障碍者にとって健常者はクラッシャーみたいなもの

 碍者にとって多くの健常者はクラッシャーになりうる。(反対も成り立つ) どうして…

少ないマスクを購入するために開店前から並ぶ

  少ないマスクを買うために、30分以上も前から店頭に並ぶ。今朝、このような光景を薬…

ネジが人を台無しにするとき

ノンフィクション:『ネジが人を台無しにするとき』むかし、塔を建設…

会社の仕事には大きく分けて2種類ある

 会社の仕事には大きく分けて2種類あります。一つは自分で考える仕事、もう一つは上司か…

新着記事

PAGE TOP