サスペンス・ホラー

怖い話『ごめんね』

 

友人とふたりドライブ先で、峠のお茶屋さんのようなお店でお昼をとることにした時のこと。

冬場は掘りコタツになっているのだろう、そんなお座敷テーブルに向かい合って座った。

突然、友人が、

 

「あ、ゴメン」

 

と言った。

わたしは気にせず、メニューに目を通していた。

しばらくしてまた、

 

「ごめんね」

 

と言ってきた。

その後、友人は、しばらくは足をバタつかせたり、テーブルの下を覗き込んだりと落ち着きのない様子を見せた。

が、食事が運ばれてくると、落ち着いた様子で食べ始めた。

 

店を出た後、友人に聞いてみた。

 

「なんか落ち着きなかったよね、何だったの?」

 

「何かが足に当たる感触がして・・・、よく考えたらそんな足長くないよな、お前」

 

「足が短いって言いたいのか?」

 

そんな会話をして、その時は有耶無耶になってしまったけど、結局あの時彼は、何に対して謝っていたのだろうか?

今でも謎のままだ。

 

文章:百百太郎

 

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