サスペンス・ホラー

怖い話『俺も見えたよ』

 

小学生高学年の時、仲間たちと川辺のグランドで遊んでいると突然、激しい雨が降り出した。

雨の中、みんなで雨宿りできる場所を探して堤防の道を走っていると、

 

「おーい!」

 

と声がした。

 

見ると、堤防下にある家の2階の窓から、自分たちと同じくらいの年頃の子がふたり、こちらに向かって手を振っているのが見えた。

 

「こいよー、一緒に遊ぼうー」

 

と叫んでいる。

わたしは行ってもいいかな、という気になっていたが、他のみんなは雨音で聞こえていないのか気づかずに走っている。

 

ようやく倉庫の軒下で一息ついた時にわたしは、

 

「さっき男の子が手振りながら呼んでたけど、あっこで雨宿りさせてもらってもよかったのに」

 

というと、

 

「あの家、ずっと空き家だぞ。人がいるわけないやん」

 

とみんなは口々にいう。

 

そう言われて、気のせいだったのかな?と思うようになっているところに、一人の友人がそっと私のそばに来て言った。

 

「それ、俺も見えたよ」

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f6/photo/48241664122/bf32642d0b/

 

関連記事

  1. 怖い話『事故物件での出来事』
  2. 怖い話『赤い月』
  3. 怖い話『バックミラーで覗き込んできた顔』
  4. 怖い話『ジョギングコースの自転車』
  5. 怖い話『そうですって言っていたら・・・?』
  6. 怖い話:『警察を呼んだら・・・』
  7. 怖い話『デジャブ』
  8. 怖い話『心霊的な何か』

おすすめ記事

十両と幕下の入れ替え戦

 大相撲においては、十両と幕下における入れ替え戦を行うことがあります。そのことについ…

『思っているだけ…』

誰かに甘えたくて…誰かに好かれたくて…誰かに…

其罪畢已(ございひっち)

「其の罪は畢[お]え已[お]わって」と読み下します。不軽菩薩が礼…

第4回☆世界の国と国旗(アフガニスタン編)

皆様こんにちは!桐谷 凛花(きりたに りんか)です。&nbs…

『あたしの前から…』―すべての人が自分の前から離れていっちゃうと辛い―

結局…独りぼっちになっちゃった。みんなあたし…

新着記事

PAGE TOP