コラム

小説:『垣根のうえの猫と目が合った。』

 

ある日、垣根のうえの猫と目が合いました。

 

こちらが口笛を鳴らすと、にゃーと返してくれます。

 

それから、縁側の石のうえにエサを置く習慣ができました。

 

今まで見かけた野良猫たちはとても警戒心が強く、

なついてくれそうな気配はまるでなかった。

 

けれど、垣根のうえの猫は、手のひらのエサを食べてくれるまで

そんなに時間はかからなかったのです。

 

ある夜、いや、夜というより明け方に近いような時間だったかもしれません。

窓のところでバン!と大きな音がして、なんやなんや、と見てみたら

垣根のうえの猫が、窓の桟の狭いところに脚をのばしてないているのです。

 

当時住んでいた家のわたしの寝室は一階にあり、猫がジャンプして

これる位置に窓があるとはいえ、驚きました。

 

わたしは猫を部屋にいれて、朝まで過ごしました。

 

それから十数年。

 

猫は命を終え、お寺で供養してもらいました。

 

猫の名前は「みーこ」。

 

この物語は、わたしとみーこ、そしてさまざまな人々とのふれあいを

描いたものです。

 

つづく

 

文章:parrhesia(ぱれーしあ)

 

関連記事

  1. 小説:『純喫茶』
  2. 不思議な話『熱湯では伸びないラーメン』
  3. 休むことなく、働き続ける髭
  4. 【おすすめ】『推手』(1991)台湾・米国合作【必見です!】
  5. 小説:『純喫茶(3)』
  6. ショートショート『夢の中の衝撃的な出来事』
  7. 平常心を保つこと
  8. 生涯一度は読んでおきたいダイアー博士の世界的名著「自分のための人…

おすすめ記事

私が思う歴代最強競走馬を紹介

こんにちは!!Lewis Abe(ルイス アベ)です。いつも…

怖い話:『TVゲームをしていたのは?』

出典:Photo credit: Josh Hartman on Visualhunt.com…

エッセイ『便利な世の中』

科学技術により世の中は非常に便利な世の中になったものです。デジタ…

【夢の種類と意味】№1

【夢の種類と意味】№1人によって見る夢は違いますが、その中で最も多く見られている…

男性にも更年期障害がある

男性にも更年期障害があるはじめに更年期障害と言えば女性特有の…

新着記事

PAGE TOP