サスペンス・ホラー

怖い話『ごめんなさい』

 

電話が鳴ったので出ると、

 

「ごめんなさい」

 

と聞き覚えのない先方の声に、わたしは間違い電話だと思い、そのまま黙って電話を切った。

 

後日、買い物に出かけた先で、背後から突然、

 

「ごめんなさい」

 

と声をかけられた。

わたしは道を譲ろうと脇に寄るも、そこには誰もいなかった。

 

  • 気のせいか? -

 

さらに後日、今度はトイレに入っていると、コンコンとドアノックされた。

 

コンコンとドアノックで返すと、ドアの向こうから

 

「ごめんなさい」

 

またしてもあの声。

しかしここは、一人暮らしのわたしの自宅トイレ。

今ここに自分以外、人がいるはずがない。

 

とっさに、

 

「どういたしまして」

 

と返事をすると、それ以来そんな現象は起きなくなった。

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f5/photo/1677841864/2b8364e99c/

 

関連記事

  1. 怖い話:『見える人、見えない人』
  2. 怖い話『ジロジロ見るんじゃないの!』
  3. 怖い話『手遅れ』
  4. 怖い話『だるまさんがころんだ?』
  5. 怖い話『壁の黒いしみ』
  6. 怖い話:『止まらないタクシー』
  7. 怖い話『のぞく子供』
  8. 怖い話『とある砂浜での出来事』

おすすめ記事

【柴犬の毛色、ポイント】①

・4つの毛色・1.もっともオートドックスで柴犬の中でも80%を占めているのが『赤柴』です。海…

心を整理しよう

皆さんは、日々、忙しい毎日を送っていると、自分の心が、何を求めているのか、分からなくなることが、ある…

『見てくれてる人』

不安だらけで進む道。その中で上手くいかないことも出てく。&n…

A型作業所を社内に作る企業が増えつつある

 従来のA型作業所は施設内にて、障碍者同士で勤務するというのが主流だった。作業も小学…

【第五回】『市場性の高い環境に身を置く』

ちきりん『マーケット感覚を身につけよう』ダイヤモンド社 の紹介本…

新着記事

PAGE TOP