サスペンス・ホラー

怖い話『深夜のコンビニバイト』

 

大学の先輩が深夜のコンビニバイトを始めた。

 

わたしは買い物にかこつけて、様子を見に行った。

夜も遅い時間とあって店内に客はおらず、わたしたちはカウンターを挟んで雑談をしていた。

 

ふと見ると、ドアの向こうでニヤニヤしながら、こちらを覗き込んでいる者がいる。

わたしたちと同じ年齢ぐらいの男だ。

わたしは先輩の連れが来たと思った。

 

「先輩の友達が来てるみたいなので、そろそろ帰ります」

 

先輩にそう告げると、

 

「ん?どこに?」

 

ドアのほうを見やると、そこには誰もいなかった。

 

「さっきまで、そこにいましたよ」

 

先輩はドアの外に出て、辺りをキョロキョロと見渡し、「誰もいないぞ」と店内に戻ってきた。

 

「いや、ここにいましたって」

 

わたしが場所を指さすと、先輩は言った。

 

「おかしいなあ、そこにいたのなら、ドアが自動で開くはずだぞ」

 

先輩は何かの見間違いだろうと笑っていたが、バイトを辞めるまでそんなに時間はかからなかった。

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f5/photo/49885464277/37a0a5f6a2/

 

関連記事

  1. 怖い話『デジャブ』
  2. 怖い話『何かいた』
  3. 怖い話『わたしの部屋はどこ?』
  4. 怖い話『二階からの誘い』
  5. 怖い話『入れ違いの女の子』
  6. 怖い話:『お爺さんの肩に』
  7. 怖い話『駆け込んできたもの』
  8. 怖い話『姉の留守番』

おすすめ記事

ショートショート『幸運をもたらす亡霊』

 孝雄の二つの瞳に、鎌を持っている透明女が現れた。アニメでよくみる亡霊さながらだった…

適切な支援をする難しさ【障碍者編】

 支援者は適切な支援をしたいと願っているからこそ、障碍についてあれこれ聞いてくる。…

京阪電車のライナー

 京阪電車にライナーが設定されました。特徴を一つずつ上げていきます。…

【尼崎の歴史発掘】天下五剣の1つ『数珠丸』を収蔵する『本興寺』を紹介します

 【尼崎の歴史発掘】天下五剣の1つ『数珠丸』を収蔵する兵庫県尼崎市の「本興寺」の紹介&nbs…

ショートショート『罪を照らす青い宝石』

頬のこけた男が集落にやってきたのは、夏も終わろうとする頃であった。村人たちは警戒した。男…

新着記事

PAGE TOP