サスペンス・ホラー

怖い話『茂みの中から』

 

友人と山間部をドライブしていた時のこと。

 

助手席の友人が、ある石橋に差し掛かったあたりで突然苦しみだした。

 

「頭が痛い、腕が痺れる」

 

車を停めようとしたが、

 

「止めるな、ここから早く離れろ!」

 

T字路に出たところで友人はようやく落ち着き、言った。

 

「あの石橋には近づかないほうがいいかも」

 

それから何か月かした頃、わたしは先輩にその話をした。

 

「そいつ霊能力でもあるのか?」

 

と先輩は面白がり、わたしは例の石橋へ先輩を案内することになった。

 

石橋に着くと車を降り、そこからの景観を楽しんだ。

 

ふと、石橋の近くの茂みの中に、何やら横倒しになっている白い看板を見つけた。

茂みを分けて見るとそれは、この石橋で人を突き落として殺害する事件があり、その情報を呼びかける看板であった。

 

先輩は言った。

「やっぱりそいつ・・・霊能力があるのかな?」

 

文章:百百太郎

 

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