スーパーの鮮魚のコーナーに行くと、大抵は「カブト割」がしてあって、二つに割った養殖タイの頭が1パックに1~4入った品が安く売っています。
あまり人気がないため、閉店間際まで売れ残っていて、半額どころか100円シールが貼られていることも珍しくありません。この100円のタイの頭を用いて、包丁いらずで出来るタイの頭の下処理と料理法を紹介します。
買い時
100円シールが貼られるまで待って買うことをおすすめします。その場合、家に持って帰ると10時を過ぎていますから、その日の内に下処理をしてしまいましょう。
下処理
パックから出したら塩をふって15分ほど置き、その後、熱湯をヤカンいっぱい、鯛の頭にまんべんなくかけましょう、これを「霜降り」と言います。表面の汚れやヌメリや匂いをこれで流します。
手で頭に残っているウロコを落とし、頭の内側についている血などの汚れも流水で洗い流します。頭の内側のノドの辺りに「タイノエ」という甲殻類が寄生していることがありますが、食べても無害ですが気持ち悪いので、もしいたら取り除きましょう。
料理法
下処理が終わったら、軽く塩をして冷蔵庫にしまっておきます。水気が出たら捨てて、タイの頭を洗いキッチンペーパーで拭いてそのまま料理します、
まず鍋物。
鍋にタイを入れて水と酒を入れて煮ます。煮えてきたら豆腐、キノコ、ネギ、白菜等を入れて、しょう油を少し入れて味を調えればタイ鍋の出来上がりです。
養殖タイの頭なので、脂がのっていることが多く、その時はグリルで焼いて脂を落とし、香ばしさを出してからタイ鍋にしても良いです。
鍋に入れて水と酒を入れて煮ます。煮込んで身が骨から外れやすくなったら皿に取り出して身だけを取り、出来たタイ出汁と身を使って、シーフードカレーを作ってみるのも良いかもしれません。明治時代のカレーのレシピにエビ、ニワトリ、カエル、タイを使ったと書いてあるのでおいしいはずです。
タイだけを煮て、塩とほんの少しのしょう油で味付けして、うしお汁(鯛のお吸い物)にして食べるか、木の芽やショウガやウドを添えて良いです。
砂糖、しょう油、酒で、濃い目の味付けにして水にゴボウと一緒に煮るとアラ炊きになります。
単純にタイをグリルで焼いて食べるのも良いです。
おまけ
スーパーでお正月の「にらみ鯛」が残っていて、処分価格の品が手に入ったら時は、鍋に入る大きさに割って、水と酒で煮て野菜などを入れて、しょう油で味を調えると、おいしいタイ鍋になります。
養殖ダイは脂がのっているので、味付けは基本的に薄味にします。そうすれば、味付けに失敗しても、調味料を足すだけでリカバリーが効きます。
養殖ブリ、ハマチの頭も同様に売っていますが、青魚でタイより味とクセが濃いので、同様の下処理をした後に、アラ炊きや照り焼きやブリ大根にすることをおすすめします。新鮮な物なら「うしお汁」に出来ますが、今回は100円なるまで待って手に入れることが前提なのでおすすめしません。
日本はまだ十分に食べられる鮮度の物でも捨ててしまうので、100円の見切り品でも美味しく食べられます。
文章:北山南河
画像出典元 https://foter.com/f6/photo/4018525647/44c21b71c2/