中学生の時、閉門間際の学校へ、忘れ物を取りに行った時のこと。
わたしは、残っていた生徒らが学校を後にする中、門を閉めようとする管理の人に忘れ物を取り来たことを告げ、3階の教室へ向かいました。
3階に着くと、どこからか女の子の声がしました。
「ねー、まだー?」
まだ、残っている生徒がいるようです。
「ねー、早くー」
などという声が、廊下にまで響いています。
わたしが教室に入り、机から忘れ物を手に取ると、
「早く、おいでよー」
その声は、廊下側ではなく、それとは反対の窓側から聞こえてくることに気づきました。
恐る恐るそちらを見やると、窓の外から頭から血を流した女の子が、教室の中を覗き込んでいました。
かつて、この中学校では、二人の女子生徒による、飛び降り心中事件がありました。
その時、ひとりは病院に運び込まれ、数日後に亡くなりましたが、もうひとりはその場で即死だったそうです。
文章:百百太郎
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