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コロナで休場した関取は番付が変動する(2021年3月場所)

 

 2021年春場所の番付編成会議が行われ、四人の新十両力士が発表された。内訳は新十両が二名、再十両が二名である。十両で幕下に陥落してもおかしくない成績の力士は四人だったので、妥当といえるのではなかろうか。

 

 今回の番付編成会議の特徴に挙げられるのは、コロナで休場した関取の番付を変動させたこと。休場で番付が上がるというのは考えにくいので、下げたものと思われる。

 

 関取の番付を微調整したのは、十両の上位に休場者が多かったからだと思われる。番付を編成するには、あまりにも窮屈な状況になっていた。調整はやむを得なかったのかもしれない。

 

 幕内から十両に落ちそうな成績なのは、佐田の海と天空海。(徳勝龍は下九枚で3勝12敗なのでギリギリ残るもしれないし、降格させられるかもしれない)十両から幕内に上がる可能性のある成績は大奄美、英乃海、剣翔の三人。徳勝龍を幕内に残した場合、一人は十両に据え置かれる。

 

 英乃海は幕内の東一六枚目で5勝10敗の成績。空いている中に入れるとすれば、西の三枚目もしくは東の五枚目となる。(三枚目の方が確率は高いと思われるので、今回は西三枚目という過程で話をする)

 

幕下に落ちると思われる、佐田の海は東幕内一三枚目で5勝10敗の成績。十両に落とすとすれば、一枚目か二枚目あたりとなる。東筆頭、二枚目は休場力士によって埋められているため、西一枚目に位置することになりそうだ。ここまでなら、何も問題は生じていない。

 

 徳勝龍を十両に降格させるとする。(こちらについてはまだわからないので、なんともいえない)空いている中で適当な位置は西の一枚目しかない。ここは佐田の海で埋まっているため、番付編成そのものに矛盾が生じる。西の三枚目も埋まっているため、十両に入れるなら東の5枚目になる。全休したならまだしも、勝ち星を挙げている状況でこれはやりすぎといえる。

 

 徳勝龍を幕内に残した場合の編成も厳しいといわざるを得ない。大奄美もしくは英乃海が十両に残ることになるけど、入れるところは皆無。大奄美を残せば勝ち越しているにもかかわらず、番付を降格させることになる。英乃海を残す場合、11勝4敗の成績を上げたにもかかわらず、半枚~一枚半の上昇にとどまる。どちらも現実的とはいいがたい。

 

 大翔丸の扱いも難しい。彼は西八枚目で11勝4敗の成績を上げた。幕内は難しいものの、一枚目くらいまでは番付を上げられる成績を残した。本来であれば、筆頭に据えればいいものの、今回は番付があいていない。西筆頭には佐田の海、西の三枚目に英乃海が入っているため、最高で東の5枚目にとどまる。

 

 千秋楽で休場した美ノ海の番付も難しい。7勝8敗なので本来ならば、一枚の降格にとどまる。ただ、番付は埋まってしまっているため、三枚程度は下がることになる。7勝8敗で三枚の降格は前例がほとんどない。

 

 本来ならコロナで休場した関取の番付をいじりたくなかったと思われる。それでもいじったのは、番付編成上にどうしても無理があったからなのかもしれない。休場した関取は報われないけど、状況が状況だけにしょうがない部分がある。

 

*幕内を2人増、十両を2人減といった対応を取れば、もう少しうまくいったように思います。コロナだったので、柔軟な発想をしてもよかったのではないでしょうか。

 成績が番付泣かせだったことも影響しているような気がします。すっぽりとはまるのであれば、微変動させることはなかったでしょう。

 

文章:陰と陽

 

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