小学校の時のこと。
休み時間に仲間たちと鬼ごっこをして遊んでいました。
最初は鬼はひとり、捕まった者も次々と鬼になるという、鬼がどんどん増えていくルールです。
わたしは校庭の片隅にある体育倉庫に隠れることにしました。
そのまま隠れていたのでは、すぐに見つかってしまいます。
わたしは跳び箱の中に潜みました。
跳び箱の隙間から、校庭で追いかけっこしている様子を窺っていると、突然
- ガンッ!ガンッ! -
と何者かが、跳び箱を蹴ってきました。
いつの間にか数人の子に取り囲まれていました。
慌てて、跳び箱から顔を出して見ると、その子らはヘラヘラと笑っています。
ただならぬ様子に、跳び箱を出て、体育倉庫を出ました。
体育倉庫の扉の前で、わたしは瞬く間に鬼に捕まってしまいました。
今、起きたことを話すと、仲間たちも怒り出し、
「そんな奴らはとっちめてやろうぜ」
とみんなで、体育倉庫の中へ乗り込みました。
しかし、そこには誰もいませんでした。
文章:百百太郎
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