サスペンス・ホラー

怖い話『体育倉庫の子ら』

 

小学校の時のこと。

 

休み時間に仲間たちと鬼ごっこをして遊んでいました。

最初は鬼はひとり、捕まった者も次々と鬼になるという、鬼がどんどん増えていくルールです。

 

わたしは校庭の片隅にある体育倉庫に隠れることにしました。

そのまま隠れていたのでは、すぐに見つかってしまいます。

わたしは跳び箱の中に潜みました。

 

跳び箱の隙間から、校庭で追いかけっこしている様子を窺っていると、突然

 

  • ガンッ!ガンッ! -

 

と何者かが、跳び箱を蹴ってきました。

いつの間にか数人の子に取り囲まれていました。

慌てて、跳び箱から顔を出して見ると、その子らはヘラヘラと笑っています。

ただならぬ様子に、跳び箱を出て、体育倉庫を出ました。

体育倉庫の扉の前で、わたしは瞬く間に鬼に捕まってしまいました。

 

今、起きたことを話すと、仲間たちも怒り出し、

 

「そんな奴らはとっちめてやろうぜ」

 

とみんなで、体育倉庫の中へ乗り込みました。

しかし、そこには誰もいませんでした。

 

文章:百百太郎

 

画像提供元 https://visualhunt.com/f5/photo/1691616516/e11f1713a1/

関連記事

  1. 怖い話『廊下の血痕』
  2. 怖い話『誰のお母さん?』
  3. 怖い話『農道のトイレ』
  4. 怖い話『電話が鳴った』
  5. 怖い話『煎餅缶事件』
  6. 怖い話『抜け道』
  7. 怖い話『姉の留守番』
  8. 怖い話『ドアが開けられないの』
PAGE TOP