小学校のときに一度、転校を経験しました。
転校先の小学校は、前の学校と違って児童がトイレ掃除をします。
わたしはクラスの仲間のあとに付いて、校舎の端のトイレに向いました。
彼は、全くトイレ掃除をしたことのないわたしに、トイレ用具はどれを使うとか、替えのトイレットペーパーはどこにしまってあるとか、丁寧に教えてくれます。
そんな中、突然、水が流れ出しました。
一瞬、ビクッとしたわたしに、クラスメイトは言いました。
「時間経ったら、自動的に水が流れるようになってるんだ」
その翌日、トイレ掃除をしていると、水が流れだしました。
気にすることなく、わたしはモップ掛け、クラスメイトは雑巾で便器を拭っていました。
その時、ひとつの個室の扉が開きました。
「誰か入ってたのかな?」
ふたりでそちらに注目しますが、中から誰も出てくる様子がありません。
中を覗いても、誰もいません。
「ここ、扉も自動で開くの?」
「いや、そんなことは・・・」
文章:百百太郎
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