ネパール料理のダルバートとは、ダルは『豆スープ』でバートは『米飯』(インディカ米)の2つの言葉が1つになった単語で、日本的に言うとご飯とみそ汁的な言葉です。定食と言うよりメシと言った感じのニュアンスが近いです。
ダルバートには、野菜のおかずの『タルカリ』(肉類は珍しい)と『アツァール』と呼ばれるピクルスなど、漬物的な物が付いてダルバートとして出てきますが、ダル(豆スープ)とバート(ご飯)さえあればダルバートと言うことが出来ます。
ネパール料理は、インド料理に比べて唐辛子をはじめとして、スパイスやハーブの量や種類が少なめで、脂っこくなくあっさりとしていてしつこくありません
「ダル」。すなわち、中に入っている豆は、レンズ豆、ムング豆、緑豆、樹豆等数百種類の豆がダルの具に使われています。
「バート」は、インディカ米で細長くパラパラとした食感。バートには、米ではなくトウモロコシ粉、キビ粉、ソバ粉、小麦粉を水で練って加熱したペースト状の『ディロ』や、『ロティ』と呼ばれる全粒粉小麦粉や、そば粉の無発酵パンが付くこともあります。日本では、だいたいバートはインディカ米が多いようです。
ディロは、『蕎麦がき』や『練りはったい粉』の様な食感で美味しい不味いと言った味ではなく、栄養の味がすると言った感じで、ロティは、少し厚めのクレープと言ったもので、両方とも素朴な感じの食べ物です。
タルカリは、野菜をいためた物か野菜カレーで、ジャガイモとカリフラワーが良く使われていて、カレーはサラリとした食感の物です。
アツァールは、乳酸発酵系の酸味とスパイスとハーブの風味がするピクルスや漬物にあたる物です。
ダルバートは、材料のほとんどが植物性ですが、豆や米やスパイスやハーブが使用されているので栄養バランスは良い食事です。ダルバートだけで一日の必須栄養素をまかなおうとすると、かなり沢山食べないといけないでしょうが。
どこで食べられるのか?
どこで食べられるのかと言う事ですが、当たり前にネパール料理専門店で食べられます。あと意外と盲点なのはインド料理屋です。ネパール料理と言うより、インド料理と言う方が分かりやすくて日本人に受けると考えられていて、メニューにネパール料理が多く料理人もネパール系でも、インド料理店と営業していることがあります。
店に行く前に、ネットでメニューを見てダルバートがあるか。確認したり店の由来を見たりして調べてみると良いでしょう。
ダルバート以外に頼むと良い物
肉が餡の肉まんや蒸し餃子にあたる『モモ』。正確には、ネパール料理ではなくチベット由来のチベット料理ですが、ネパールでも一般的な料理なので、おすすめします。美味しいし。
干し肉と野菜をスパイスやハーブで炒めて合えた『スクティ』は、味わい深くて良い物です。ヤギやヒツジの干し肉の場合もスパイスやハーブで食べやすくなっています。
『水牛』を使っている料理は、かなりレアなので見つけたらぜひ食べる事をおすすめします。ネパールはヒンズー教の国なので、牛は神の使いので食べてはいけないのですが、ヒンズー教の、食べてはいけない牛は『コブ牛』で水牛は別なのです。日本人には、そんな禁忌は関係ないのですが、日本で水牛を食べられる所も少ないので、見つけられたら食べるべきです。
文章:北山南河