高校時代の同級生のA子から、しばらくぶりに電話が掛かってきた。
「今からこない?」
すでに、アパートの前に迎えに来ているという。
わたしはカーテンを開け、窓から見下ろした。
真下に黒いワンボックスカーが止まっており、車内からA 子がこちらに向って手を振っていた。
会社の仲間と一緒だという。
「わたしなんかが、行っていいのかな?その人たち、わたしのこと知らないでしょ?」
やんわりと断ろうとした。
するとA子は強い口調で訊いたきた。
「来るの?!来ないの?!」
「行くわけないじゃん、わたしが行ってどうすんのよ?!」
こちらもついキレ気味になり、電話を切った。
A子を乗せたワンボックスカーも走り去っていった。
・・・という夢を見て、朝、目が覚めた。
そこに、高校時代の仲間から知らせが来た。
それはA子が、会社の慰安旅行先で事故死したという内容だった。
文章:百百太郎