福祉・医療

B型作業所の工賃の差はあり、なし?

 

  沖縄県のB型作業所で、工賃を9段階に分けて支給しているのを発見しました。(事業所名はジョブきらめきで時給は200~600円以上と記されている)

 

 3倍以上の差のある能力給を定めているのは、利用者のモチベーションを上げるためかと思われます。働いても働かなくても同じ金額を支給されるのであれば、怠ければ怠けるほど得することになってしまいます。これでは生産性の高い作業は期待できません。

 

 工賃に幅を設けることにはマイナスの要素もあります。能力の低い利用者の工賃は必然的に低くなるため、劣等感にさいなまれるでしょう。一般会社で低い扱いを受け、障害者施設においても不利益を被るれば、内部分裂の種になりかねません。

 

 利用者は平等にお金をもらうべきという考えからか、工賃を固定としているところもあります。こういう場所では能力の低い利用者は得する反面、仕事のできる利用者は損をすることになります。(たくさんの仕事を押し付けられることになるため)

 

 こういった場所においては、仕事のできる従業員はモチベーションを失いやすくなります。一般就労もしくは他の事業所を検討するようになるでしょう。会社にとって役立つ人材からいなくなる確率は高くなります。

 

 工賃に差をつけて優秀な社員を優遇するのか、全員を平等にして障碍者同士の劣等感を取り除くのか、B型作業所は難しい舵取りを迫られているのかもしれません。

 

*能力給はあるのかを事前に確認しておきましょう。

 

文章:陰と陽

関連記事

  1. 発達障碍は大人になってから気づくことが多い
  2. A型作業所を社内に作る企業が増えつつある
  3. 障碍者の就職活動は厳しい
  4. 発達障碍者向け恋愛サイトがある
  5. 歯は虫歯にならなくてもしみる
  6. 障碍者支援は「営業事務職」の側面が強い
  7. 障碍者枠に対する企業の考え方
  8. 人間の苦しさの大半は自業自得

おすすめ記事

気持ちよく働ければ仕事は長続きする

『気持ちよく働ければ仕事は長続きする』体力よりも気持ちが大事…

虐待と騒ぎすぎると子育てをしたいと思う家庭は減少する

 近年、子供の虐待があちこちで騒がれるようになった。ごくごく一部では虐待、ご飯を与え…

真の心の安定

その人の根源にあるもの、それを何に置くのか。何を心のよりどころに…

ショートショート『雪の日の幸運(幸せはどこに待っているかわからない)』

 失敗続きの一日だったため、メンタルが落ち込んでいた。  ゆっくりと天を見上げる…

中島義道『ウソつきの構造 法と道徳のあいだ』角川新書

中島義道『ウソつきの構造 法と道徳のあいだ』角川新書   緩やか…

新着記事

PAGE TOP