将棋の順位戦のC級2組の降級点は2021年度より、現行の5人に1人から4.5人に1人に変更されることとなりました。
順位戦の制度について簡単に説明します。順位戦には5つのランクがあり、上から順番にA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組となっています。名人戦に挑戦できるのは、A級に在籍する10人だけとなります。(人数は原則10名でトップの成績をあげると名人に挑戦、下位2名になるとB級1組に降格します)
C級2組は一番下のランクです。上位3名(全勝者が4人以上だった場合は全員)がC級1組に昇格し、3回の降級点を取った棋士はフリークラスに降格します。(2つ目の降級点は条件を満たすと消え、1つ目の降級点はC級1組に昇格した場合に消滅します)
フリークラスに降格した場合、60歳以上だと定年による引退となります。60歳未満の棋士は、10年以内にC級2組に昇格するための条件を満たさなければなりません。フリークラスのまま10年を経過させた場合、制度による引退となります。(他の棋戦において一定以上の成績を収めていた場合は、現役続行となる)順位戦のC級2組以上に在籍することは、棋士としての絶対条件となっているのです。
過去には3年連続で降級点を取ったあと、C級2組に昇格するための条件を満たせず、37歳という若さで引退した棋士もいます。プロになったとしても、一定の成績を残さなければ、最短13年でやめなくてはならない厳しい世界です。
C級2組に降級点がつきやすくなったことにより、フリークラスに降格する確率はあがりました。棋士の身分は少しだけ厳しくなるといえるでしょう。プロになったからには、60歳までは将棋を指し続けてほしいと思います。
文章:陰と陽