アカシジアとは、脚がムズムズして、体を横にすることも、椅子に座っていることも、正坐やあぐらをかくことも、ただ立っていることも、苦痛で出来なくなる状態を云います。(なぜか、腕や手には出ません)この状態になると、貧乏ゆすりをしたり、立ったり座ったりを繰り返したり、足踏みしたり、歩き回ったりして、脚のムズムズを紛らわすしか、対処法はありません。
原因は様々で、向精神薬やその他の薬、ニコチン、カフェイン、アルコール。違法な物質なら大麻やコカインとアンフェタミン・メタンフェタミン等があります。
今回は、アカシジアが副作用で起きることの多い、向精神薬等の精神科で処方される薬によるアカシジアを説明します。(どのアカシジアも、現れる症状は大して変わりませんが・・・)
向精神薬等の服用によるアカシジアは、速いと服用1日目の服用した後、その日のうちにアカシジアが出ることがあります。気分が高揚して、じっとしていられないとか、不安や恐怖でじっとしていられないとかは、ほぼ無く、脚がムズムズしてじっとしていられないと云う、身体の感覚的な不快感が特徴です。
薬を服用してのアカシジアは、服用してから8~10時間経つと薬が体から抜けて、治まることが多いです。アカシジアが出ているときは、当然の事ながら、眠る事は出来ないので、夜に服用するように処方されていると睡眠障害になります。
アカシジアが出たからと言って、勝手に服用する量を減らしたり、服用を止めたり、服用する量を増やしたりするのは絶対やってはいけません。服用していた薬を減らしたり止めたりすると、服用していた薬を、止めたことによるアカシジアになる可能性があります。
服用する量を増やしてもアカシジアは治らない上に他の副作用が出る可能性があります、確実に内臓に負担が掛かります。
服用して3ヶ月以上してから、アカシジアが出る場合もあります。お腹が下り気味や便秘やドライマウスと云った副作用に比べて、出たらすぐ解るので、アカシジアが出たと患者が認識していると、対処法を取りやすい副作用ではあります。
対処法は、医師の指示の元に薬を減らすか変える、アカシジア治療用の薬を服用する、注射を打つ等です。
アカシジアの恐ろしいところは、睡眠障害からの鬱状態や、イライラして攻撃性が高くなっての自傷や自殺が起きることや、アカシジアが辛いからと、薬の服用を止めてしまうことです。
薬の副作用でアカシジアが起こった時にパニックを起こして、この様な行動を起こさないために、薬局から配布される服用薬の説明プリントをよく読んで、副作用の危険を認識しておきましょう。
今回は、精神科で処方される薬の副作用でアカシジアが起きたらどうなるかを書きましたが、他の原因でアカシジアが起こっても、脚の不快感からの睡眠障害が起きるので、睡眠障害患者をたくさん診ている精神科医を調べて知っておくことは良いことです。
患者が、薬の服用による副作用の種類と危険度を知っていれば、副作用が出ても冷静に対処できます。「副作用の無い薬は存在しない」ことを知っておくことは大切です。
文章:北山南河