祖父の履歴書を読みました。
その内容だけ見ると、一回たりとも面接を受けて入社した経歴は見られません。地方という土地柄を鑑みたとしても、異例のことといえるでしょう。
美方町(現香美町)の町長立候補の推薦を親しい仲間から受け、3回当選しました。スキー場開拓、福祉施設の充実、美方残酷マラソンなどを次々と作り上げる功績をあげます。
町長選に落選したあとも、推薦によって農林組合長に復帰しました(町長選のために一度辞職)。自分からお願いするのではなく、他人に認められて仕事を獲得しています。普通の人は年齢と同じ数の面接を受けて、採用される立場なので別格といえます。
70代後半になっても、福祉施設の理事長を行っていました。普通の人なら及びもかからない年齢において、あちらこちらからスカウトされる能力はずば抜けているといえるでしょう。
筆者の小学校時代に普通の人とは乖離した出来事がありました。冬になるたびに、スキー場から年間の無料券を届けられました。当時は当たり前と思っていましたけど、一般家庭ではまずありえません。(無料券をあちこちに配布していたら、営業はそもそも成り立たない)
国からの感謝状、天皇陛下、松井秀喜のバットを作った人と会ったなどという話も聞かされました。
一般人ではどれ一つ成し遂げられないことを、わずか一人で達成しています。
1人で2000票を持つということから、祖父主催の葬儀では県知事、選出された議員などもかけつけます。2000票は選挙で有用だからこそ、足を運ぶ価値を持つのだと思います。
就職支援にしても同じです。就職支援員を100人集めたとしても、就職先を斡旋することはできません(面接先の紹介にとどまる)。祖父は色々なところとつながっており、100社くらいは孫を使ってやってほしいと頼み込める力を有しているでしょう。(実際のところはわからないけど、色々な職場を斡旋できるのは事実)祖父と比較すると、就職支援に携わっている人は何もできないといえるでしょう(就職先を用意できるのと、紹介するのは天と地ほど異なる)。
他にもいろいろなことを成し遂げています。祖父の功績を間近で見てきた者としては、1人の優れた人間の力は10000人の一般人よりも大きいと感じました。同時に一つの権力に集中する構図は、このようにして構築されるのだと思います。
*実績を残した人間の言葉を大切にしたいと思います。
文章:陰と陽