適応障碍はなじみのない病気だと思いますが、仕事勤めをしている社会人の間で増加傾向にあります。日常の生活などにおいて起こります。
・適応障碍とは、「はっきりと確認できるストレス因子によって、著しい苦痛、機能の障碍などが生じる病気」です。ストレスの要因となるものが取り除ければ、症状は改善していきます(半年程度でよくなることもある)。人によっては、その場を離れただけで回復することもあるため、周囲からは甘えと捉えられることもあります。
職場で適応障碍にかかりやすいパターンをあげます。
①業務量が多すぎて、対応できない(残業が多い)
②自分のペースで仕事できない(家においても仕事のことを考えるなど、頭の切り替えが下手な人も含む)
③仕事内容が、自分の性格や能力に合っていない(明かなミスマッチング。じっとできない人が事務職につく、静かな環境を好む人がワイワイしている会社に就職するなど)
④職場の人間がうまくいかない(発達障碍などは確率が高くなるものの、一般も充分に起こりうる)
*他の要素においても適応障碍を発症する場合があります。
・発達障碍などとは異なり、誰にも起こる可能性があります。自分は無関係ではないことを、頭に叩き込ませましょう。
・仕事で適応障碍を発症した場合、休職、退職などにつながることもあります。心の病だからといって放置しておくと、とんでもないことになりかねません。しっかりとした対応を取るようにしましょう。休職後に復職した場合、再発する可能性は決して低くありません。適応障碍を発症した会社に戻る場合は、打ち勝つだけの精神力が必要となります。
適応障碍によってもたらされる症状をいかに挙げます。
・ストレスが原因で、情緒的な障害が発生し、抑うつ気分や不安などを伴うことが多いです。感情をコントロールできずに、突然大声を出すなどの症状がみられます。
・社会生活や職業・学業などに支障をきたす。精神状態が悪化すると就業・就学そのものが不可能(休学、休職、退職)になる場合があります。
・行動的な障碍を伴う患者は、ストレスが原因で普段とはかけ離れた著しい行動に出ることがあります。年相応の規則をやぶり、怠学、喧嘩、法律に背くことなどが挙げられます。社会的ルールを無視するような行為、破壊や暴走、また暴飲(食べなければ気が済まない)なども起こりえます。
・軽度の行動的な障害としては、電話やメール、手紙に応答せず人との接触を避けて引きこもることも挙げられます。
適応障碍はストレス(外的要因)、本人の資質(内的要因)があると考えられています。外的要因、内的要因をいくつかあげます。
- 外的要因
家族間の問題、友達・恋人との関係、社会におけるパワハラ、セクハラ、引っ越しなどがあります。環境によってもたらされるものが該当します。
- 内的要因
傷つきやすい、0か100思考になってしまう、頼みごとを断れない、頑固で融通が利かないなど、発達障碍に見られがちな要因が多くを占めます。誰にも罹りうる病気ですが、発達障碍者は発症する確率が上がるかもしれません。
適応障碍は精神安定剤で抑えることができず、ストレスとなる要因から引き離すことが求められることもあります。個々で適切な対応を取らないと、人生を棒に振ることも起こりえるので、放置しないようにしましょう。
文章:陰と陽