人生

わずかな人間の悪事で社会は窮屈になる

 

  ごく少数の人間が悪いことをするだけで、生きにくい社会が構築される。

 生涯で殺人事件を起こすのはごくごく一部の人間にとどまる。それにもかかわらず、社会全体に規制が及んでしまう。1パーセントにも満たない悪党のせいで、健全な市民が不便な生活を送ることになる。

 窃盗にしても同じだ。手口が巧妙化したことで、防犯カメラが設置されることになった。こちらも悪事を働く人間がいなければ不要だ。

 高齢者の運転にもあてはまる。90パーセント以上の高齢ドライバーは事故を起こさないのに、一回起きただけで社会でクローズアップされる。高齢者だから運転をしてはいけないというのは、さすがに大袈裟すぎるように思う。免許返納を強いられる、運転手の身にもなってほしい。

 学校におけるいじめも同じ。たった一人が主導しただけで、教室内の空気はガラリと悪くなってしまう。

 一〇〇人のうちの一人が道を踏み外すことにより、残りの九九人に迷惑がかかる。少数人数のために、多数派が息苦しい生活を強いられるのは勘弁してほしい。

 

『グローバルな世界は、個人の振る舞いと道徳性に前代未聞の圧力をかける。私たちの一人ひとりが、すべてを網羅する無数の「クモの巣」に搦め捕られており、そうしたクモの巣は私たちの動きを制限する一方、どんな小さな動きでさえもはるか彼方まで伝える。』(ユヴァル・ノア・ハラリ『21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考』P10より)

 

文章:陰と陽

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