サスペンス・ホラー

創作『天上からの密かな企み』

 

神様1「地球を荒らしまわっている人間に天罰を下そう」

神様2「どのようにいたしましょうか」

神様3「地球から空気をなくしてしまえばいいんじゃ。やつらは空気がなくなったらおしまいだ」

神様4「さすがにそれはやりすぎじゃないかな。植物や動物まで息絶えてしまう」

神様1「うん。人間はまだしも、植物、動物は生かしておこう」

神様2「よし、わかった。人間だけを全滅させるか」

神様3「そうだな。一日後に人間だけを地上から消そう」

神様4「異議なし」

 

 神様は翌日に人間を全滅させるための呪文を唱えた。24時間後に人間は地上から姿を消す。

 

 4人の神様によって翌日に消されることとなった人間は、普段と何ら変わりない生活を送っていた。大人は会社に出社、子供は学校に登校する。明日、消されるとわかっているならば、このようなことはしなかっただろう。

 夜がやってきた。明日、消えてしまうとは思えない余裕があった。地上にいる誰もが、明日には消えているなんて夢にも思っていない。

 神様が指定した時刻まであと一〇分と迫った。地上で異変に気付く者は誰一人いなかった。

 一〇分経過。神様1が人間を地上から消す呪文を唱えた。地球に住居を構えていた人間は、すべて消えてしまった。まるで人間が地上には存在していなかったかのようだった。

 人間が消えたことで、地球は平和を取り戻すこととなった。人間を消した神様はそのことを素直に喜んでいた。

 

文章:陰と陽

関連記事

  1. 怖い話『ボスママの眼』
  2. 怖い話『あしあと』
  3. 怖い話『チャイルドシート』
  4. 怖い話『終着駅』
  5. 怖い話『お前は死んでるのか?!』
  6. 怖い話『空っぽのベビーカー』
  7. 怖い話『飛んでいるもの』
  8. 目が覚めれば

おすすめ記事

『才能』

どんなに頑張っても…どんなに努力しても…才能…

怖い話『心霊的な何か』

家族で温泉旅館に泊まりに行った時のこと。夜中に突然、額をパーン!と勢いよく叩かれ…

怖い話『待っている人』

「遅い!」朝の4時過ぎに、ある一軒の家に新聞配達に行くと、頭上か…

障碍者支援で当事者がよくなる確率はかなり低い

 障碍者支援は障碍者を支援するための場所なのでしょうか。当事者としてそのように思うこ…

A型作業所にて施設外で勤務する障碍者は一般でやっていけるのではなかろうか

 A型作業所にて施設外就労に取り組んでいる利用者は、一般就職にどんどんチャレンジして…

新着記事

PAGE TOP