最近同じ夢を見る……。
俺は、とある旅館のような建物の中を歩き回っている。
そこは少し懐かしい感じを覚えるので、もしかしたら小さなころ旅行に行ったところかもしれない。
恐らく俺が泊まってる客室から浴場・食堂……。
最後に辿り着くのが大宴会場。
そこで白無垢姿の女に出会い、そこで目が覚める。
今日もこの夢を見るんだろうな……。と憂鬱な気持ちで床に就く。
しかし、今回は少し違った。
白無垢姿の女が俺に近づいてきて、俺に話しかけた。
『やっと来てくれたのね……』
俺はその女に見覚えも無ければ知り合いでもない……だから
「……え?」
『ずっと待っていたのよ?』
訳が分からず困惑している俺にゆっくりゆっくり女が近づいてくる…。
俺は恐怖を覚えじりじり後ずさりしていくが、壁に辿り着いたらしい、もう逃げられない。
女が目と鼻の先まで来てこう呟く……。
『これからずっと一緒ね……。』
そこで俺は目が覚めた。
よほど怖かったのか、寝汗でシャツがびっしょりと濡れている。
「シャワーでも浴びるか……。」
そう思い、風呂へ向かう。
服を脱ぎ、浴室へ入ろうとした時、ふと鏡を見ると…。
居た……。
夢の中の白無垢姿の女……。
信じられなくて、暫し硬直していると鏡越しにいるその女は口を開いた。
『こ・れ・で・ずっ・と…ずっ・と一・緒・だ・ね……。』
文章:八雲月夜