出典元:https://www.nyseikatsu.com/entertainment/01/2023/37434/
こんにちは、映画大好きオノマトペです。
今回は日本の名監督として世界的に有名な黒澤明監督の作品を紹介したいと思います。
今回紹介する映画は『羅生門』です
羅生門
https://youtu.be/CBKSG2pM4K0?si=EBw3OxnSbBUfyq_Q
1950年 日本 監督:黒澤明
あらすじ
旅法師と杣売りが通りすがりの下人に語り始める…。
盗賊が森で女を犯し、その夫を殺した。しかし語られる各々の証言は異なっていて…。
芥川龍之介の小説『藪の中』を原作とし、タイトルや設定などは同じく芥川の短編小説『羅生門』が元になっている黒澤映画の傑作『羅生門』。その魅力を紹介していきます。
異なる証言
3日前、杣売りが薪を取りに山に入った際、武士・金沢武弘の死体を発見し、検非違使に届けを出しました。
そして3人の証言を聞くことになります。
多襄丸:事件の犯人として連行された盗賊
真砂 :死体の武士(金沢)の妻
金沢 :巫女が金沢の霊を呼び出し証言
それぞれ異なった証言で食い違った言い分の三人。
なぜこのようなことが起こるのか…。
証言をセリフではなく、映像化していることで、実際の出来事のように感じる演出が素晴らしく、この同じ出来事を複数の登場人物の視点から描く手法は、映画物語手法の1つとなり、国内外問わず何度も用いられ、海外では羅生門効果などの学術用語として成立しました。
タブーと規格外撮影
この羅生門には、もう一つ魅力があります。
それは黒澤明監督の大胆な撮影と規模の大きさです。
光と影の強いコントラストによる映像美、太陽に直接カメラを向けるという、当時タブーだった手法など、斬新な撮影テクニックでモノクロ映像の美しさを引き出しています。
そして何よりすごいのが、羅生門のオープンセット(映画撮影のための野外装置)です。
羅城門を元にして制作されたセットは600坪に25日間を費やして建設されました。
間口は約33メートル、奥行きは約22メートル、高さは約20メートルという巨大なもので、瓦はなんと4000枚も焼いたそうです。
予想外の巨大なセットになってしまい、屋根までまともに作ると柱が支えきれなくなるため、屋根の半分を崩し、荒廃しているという設定に置き換えるほどでした。
こうしてお金と時間をかけて完成した羅生門に、雨のシーンを撮影するため、大胆に水をかけていくのです。
土砂降りの映像を生み出すため3台の消防車を出動させ5本のホースを使用しました。
そして、ここにも撮影の工夫があります。
この時、曇りの日に撮影しているため、背景の曇り空に雨が溶け込まないようにと、水に墨汁をまぜて降らせたのです。
この撮影によってモノクロの映像の中にしっかりと雨が映り、まがまがしく巨大な羅生門の姿が現れました。
世界の黒澤といわれる名監督。
この当時から大規模な撮影と斬新なアイデアによって生み出された名作。
是非、観ていただきたい作品です。
オノマトペ