コラム

障碍者の婚活の実態

関西人でないと分からない話ではありますが。

同じ関西弁でも、「大阪弁」と「神戸弁」があります。

神戸弁の特徴は、「~している」を、「~しとう」と言うことです。

ですから、「伊藤がいる」は、「伊藤がいとう」になり。

「外套を着ている伊藤がいる」。

これは、「がいとうきとういとうがいとう」。

こうなるのですよ?(挨拶)

と、いうわけで、フジカワです。

お安くはない皮下注射の薬を打っているのに、なぜか血糖値が下がらない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回の記事は、「障碍者の婚活の実態!」とかいった話です。

前回までのあらすじ

さて。先日、僕の叔父が孤独死した話を書かせて頂きました。

それを機に、この僕も、大変遅まきながら、結婚願望が芽生えた。

しかし、今の生活上、普通の出会いはまずない。

マッチングアプリは論外。

では、障碍者専門の結婚相談所はどうだろうか?

よし、動こうぜ!

これが、前回までのあらすじ。

ちゃんとした写真スタジオで、婚活写真も撮りました。

ですが、早速無駄にならんとしています。

年収における、現実山脈

今のご時世、「障碍者専門の結婚相談所」は、割とあります。

あるいは、入会条件に制約がないところとかね。

しかし、壁になって来るのが、年収の問題。

僕のケースを述べます。

現在の僕の、主な収入の柱は、障害年金です。

そこにプラスして、今在籍している施設での、パートタイム労働の賃金。

「合算すれば」、そりゃあ最底辺レベルではあれ、そこそこにはなる。

が、どっこい。

先日問い合わせを送った、オンライン完結型の結婚相談所。

「障害年金は、年収にカウントされるのか?」

その質問への、回答が来ました。

曰く、

「障害年金は非課税のため、収入にカウントしない」

とのこと。

なので、

「パートタイム労働の賃金のみを、収入として審査する」

と言われました。

なおかつ、

「その場合、入会審査に落ちる場合がある」

という回答。

「場合がある」ということは、つまり「落ちる」という意味です。

要するに、入会はできない。

障碍者雇用枠でも、フルタイムでの勤務をしている。

どうやら、そういうタイプにのみ、門戸は開かれているようです。

都合のいい希望

しかし、真に「障碍者専門」の相談所の場合、そういう縛りはありません。

別の相談所に、ちょっと電話で問い合わせてみたんですよ。

「障碍に理解がある、健常者のお相手」

そういう人がベストであろうと考えるのは、まあ自然かと思われます。

実際、そういう希望を出す人が多数とのこと。

ただし、しょっぱい現実を教えられました。

「障碍がある、という時点で、敬遠される」

結婚相談所に登録している女性会員は、たいてい「そう」らしいです。

これはまあ、相手の立場に立ってみれば、ある程度分かりますよね。

何を都合のいい妄想をしてますか、コラァ?

そんなマザー・テレサみてぇな女性が、そう簡単にいますかアーハン?

要は、そういう話です。

僕自身、その手の「都合のいい妄想」を抱いていました。

ゆえに、ズバリと現実を教えてもらって、目が覚めましたね。

その代わりと言うべきか。

障碍者の女性会員は少ないながら、成婚率はそこそこにあるらしいです。

理由は、自身も障碍者であるがゆえに、理解が早いから。

ま、分かる話ではありますよね。

商売ですから?

その結婚相談所の担当者さんから聞いた、エグい話。

結婚相談所というところは、登録料の他、月額費用がかかるところがほとんどです。

しかしながら、障碍者の場合、そうそうたやすく事は運ばない。

つまり、長期戦にならざるを得ない。

結果がなかなか出ないのに、毎月の費用ばかりがかかる。

考えるまでもなく、かなりの負担です。

ただ、あえてドライに「商売」だと思えば、それも分かりますよね。

運営会社側としては、「むしってナンボ」なんですから。

ただ、僕が問い合わせをした結婚相談所。

そこはかなり良心的なようで、月額費用がかからない。

なぜなら、先述の通り、長期戦が前提だからと説明されました。

ただし、最初の登録、お見合い、あるいは成婚に至った場合。

その際は、所定の費用がかかるということでしたが。

自分だけの問題ではない

確かに、例外も多数あるでしょう。

しかしどうやら、少なくとも相談所を介した場合ですが。

障碍者は、同じ障碍者としか結婚はできない様子。

僕も、自分一人の問題だったなら、ですが。

ものは試しで、即入会していたでしょう。

ただし、親と姉がいる。

世間的に(特に精神の)障碍者というのは「鼻つまみ者」である。

そういう切ない問題もあります。

既に身内に一人いるのに、もう一人増えるのはどうなのか?

たとえ当人がよくとも、周囲は首をひねるでしょう。

あるいは、反対されてもおかしくない。

この辺、僕自身もまだ、親などに確認を取っていません。

なので、一応、先述の相談所へは、保留にしてもらいました。

あからさまな差別ではない。

しかし、やはり「普通の人」は、「厄介な人」とは結婚したがらない。

やはり切ない現実ではある。

ではあれど、理解不能というわけでもない。

マザー・テレサは、そう簡単にいないのです。

かくも険しきは、現実山脈。

しおしおのぱあ、ですね。

んじゃまた。

 

文章:フジカワ

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